視聴率3冠を狙う日テレ、「校閲ガール」「ラストコップ」では厳しい? 凋落のフジは“月9最低”を更新

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

 各局の秋ドラマがほぼ出揃い、加熱する“視聴率戦争”。注目は、日本テレビの3年連続“視聴率3冠”を達成できるか、という点である。テレビ朝日は「ドクターX」「相棒」「科捜研の女」の大本命3作品を放送し、“ドラマのTBS”も「IQ246」の織田裕二をはじめとした大物起用で、日テレを追う形だ。

 一方、すっかり蚊帳の外に置かれてしまった、かつての王者・フジのドラマ。いまや凋落のシンボルとなった“月9”を託されたのは、Hey! Say! JUMP の山田涼介が主演する「カインとアベル」だ。

 フジ関係者が明かす。

「当初、プロデューサーには30歳の若手のホープが抜擢されたものの、現場を満足に仕切れずに交代した。ヒロイン役も二階堂ふみ、早見あかり、戸田恵梨香からことごとく断られ、ようやく倉科カナに落ち着いた。初回視聴率8・8%は月9史上最低を更新。大スポンサーのトヨタも今期から外れてしまいました。『レディ・ダ・ヴィンチの診断』の吉田羊は、ドクター役なのに本人が体調不良でダウンして撮影が中断。『Chef〜三ツ星の給食〜』の天海祐希はスタジオに“タフマン”を差し入れて現場を鼓舞していますが、初回視聴率は8%止まりでした」

2ケタ視聴率を獲得

■日テレの秘策は…

 暗中模索のフジはさておき、テレ朝とTBSに包囲網を張られた格好の日テレ。だが、ただ手をこまねいているわけではない。

「石原さとみが主演する『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』は、初回が12・9%と予想以上の滑り出しを見せました。女性主人公の職業モノで10%台を狙う枠としては大成功だと考えています」

 と、日テレの制作スタッフは鼻息が荒い。

 さらに、「ラストコップ」では前代未聞の奇策も講じている。

 ドラマの中身は、唐沢寿明演じる熱血刑事が30年間の昏睡状態から目覚め、バディを組む窪田正孝と共に活躍するアクションコメディだ。日テレは昨年、このドラマの原型となるエピソードを動画配信サービスHulu で公開。サービス開始以来、最も多くの新規ユーザーを獲得した作品になったという。満を持して地上波に駒を進めると、

「Hulu で配信されたエピソードを再編集し、ドラマのスタート前に、3話に分けてプレ放映することで期待感を煽った。これまで、うちの土曜のドラマ枠は『ど根性ガエル』や『怪物くん』といった実験的な作品がほとんど。ただ、今回は3冠を死守するため、唐沢と和久井映見というトレンディドラマ全盛期の二枚看板を起用しました」(同)

 かつてトレンディドラマに熱中した中高年を呼び込む戦略だろう。だが、せっかくの奇策も虚しく、肝心の初回視聴率は2ケタに届かない散々な有り様だった。

「最近は『相棒』のように骨太な人間ドラマがウケています。キャスティングはともかく、中身までコメディタッチの刑事モノは時代に合わなかった。こうなると、テレ朝相手にうちのドラマでは勝ち目はありません。バラエティ番組をテコ入れして年末まで凌ぐしかない……」(同)

 ついに“汐留”城の本丸に迫ったテレ朝とTBS。3冠の行方は“秋の陣”の趨勢に懸かっている。

特集「『石原さとみ』を『米倉涼子』が踏みつける 『秋ドラマ』視聴率戦争」より

週刊新潮 2016年10月27日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。