白鵬が漏らした「帰化せず一代年寄に」 勝ち星歴代1位目前で

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 優勝回数37回は歴代1位。大相撲史上最強と称されながらも、横綱・白鵬(31)の「帰化問題」が長らくくすぶり続けている。親方となるには避けて通れないハードルだが、本人は最近、驚くべき“ウルトラC”を口にしているという。

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 相撲協会の関係者が言う。

「引退後も角界に残りたい白鵬は近ごろ、周囲に『通算の勝ち星数で歴代1位になったら、協会はモンゴル国籍のまま一代年寄になることを認めてほしい』と漏らしているのです」

 先場所は怪我で全休。右足親指と左膝の手術に踏み切ったとはいえ、現在、通算勝利数は997勝。2位の千代の富士1045勝、1位の魁皇1047勝を、すでに“射程圏内”に捉えているのだ。

 協会では、通常の年寄名跡のほか、現役時代の功績が著しかった横綱が引退した際に「一代年寄」を認めることがある。これまで優勝32回の大鵬、北の湖(24回)、千代の富士(31回・辞退)、貴乃花(22回)と前例があるのだが、優勝回数で上回る白鵬には、

〈年寄名跡の襲名は、日本国籍を有する者に限ることとする〉

 という協会の規則が立ちふさがってきた。さる相撲ジャーナリストによれば、

「白鵬自身は09年4月、日本外国特派員協会での会見で『日本国籍を取得して親方になりたい』と明言していました。また同じ頃、取材に『日本人になることに違和感は何もない』とも語っていたのです」

3児の父となったが……

■「資格がありますか」

 ところが、

「モンゴル国籍を捨てることに、両親は一貫して猛反対してきました。そもそも『日本人の嫁は認めない』と言われ、07年に紗代子夫人と結婚した時も、白鵬は事前に紹介せず挙式しています。本国で彼は英雄扱いで、父親もモンゴル相撲で名を成した人物だから、国民から“裏切者”と非難されるのは目に見えている。実際、父親からは『帰化すれば親子の縁を切る』と迫られていたのです」(同)

 横浜白鵬後援会会長である興禅寺の市川智彬(ちひん)住職も、

「私たちは『規則は変えられないのだから、帰化するしかない』と諭すのですが、本人は『モンゴル国民が許してくれません』と言う。旭天鵬関や時天空関の帰化は騒がれなかったのに、彼は日本人と結婚しただけで批判されて人気も落ちたから、相当悩んでいました。最近では『先生、自分は親方になる資格がありますか』などと、真顔で訊いてくることもありました」

 そうした経緯もあって“特例”を望んできたのだが、

「思惑を見透かしたかのように14年7月、北の湖理事長(当時)はあらためて『日本国籍に限る』と明言し、クギを刺してきました。一方の白鵬は不満を募らせ、15年初場所では取り直し判定をめぐり『子供でもわかる相撲』『肌の色は関係ない』などと、審判部批判を公然と口にするに至ったのです」(前出ジャーナリスト)

 それでも先の関係者は、

「“絶対ダメ”を貫いた北の湖さんに比べ、八角理事長は是々非々で物事を見るので、特例が認められる可能性はゼロとはいえない。ただ、これまでの白鵬の振舞いからして、賛同の声が広がるとは思えません」

 やはりネックは“品格”だというのだ。

ワイド特集「君の名は」より

週刊新潮 2016年10月20日掲載

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