谷垣幹事長の頸髄損傷 復帰の目処は「長くて1年」

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 頸髄(けいずい)損傷――7月16日、自転車走行中に転倒し、入院が続く自民党・谷垣禎一幹事長(71)の容体が26日、細田博之幹事長代行の口から発表された。事故後、詳しい情報は遮断され、「脊椎損傷」「腰椎骨折で車いす」など、永田町では様々な憶測が飛び交っていた。

 与党担当記者の話。

「会見で細田さんの口からその聞きなれない単語が出ると、会場は、えっ?という空気に包まれ、記者からは『頸椎ではないのか?』という質問も出ました。経過に関しても、手術後は安定していて意識もあるが、復帰の目処は立たないという、結局はっきりしない内容でした」

再び跨がれる日は来るか

 JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センターの川口浩センター長が解説する。

「頸髄というのは、7つある頸椎の中を走る神経の束のこと。ここを損傷すると最悪の場合、四肢の運動機能や感覚が完全に麻痺することがあります。ただ、たとえ重度であっても脳の機能に影響はありません」

 その上でこう続ける。

「手術をしたというのがポイントです。一般的に完全麻痺の場合、手術をしても意味がないため、行わないことが多い。一方、損傷のレベルが比較的軽度で、かつ頸椎の骨折や脱臼などが見られる場合、手術で治し、神経の快復を促すのです。察するに谷垣さんの状態は、軽度から重くても中度の損傷と見られ、手足がしびれたり運動機能が一時的に麻痺したりしても、1週間から長くて1年で快復する可能性が高い。少なくとも、政治生命が絶たれるということはないでしょう」(同)

 8月3日の内閣改造・自民党役員人事に先立ち、幹事長は二階俊博総務会長に交代することが明らかになったが……。

 あとは本人次第。

週刊新潮 2016年8月4日掲載

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