日米大学野球4日後に期末試験 東大・宮台康平投手の文武両道

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 日米大学野球選手権で、東大野球部の宮台康平投手(21)は、自己最速の150キロをマーク。試合に敗れはしたが、本格左腕として、各球団のスカウト陣から高い評価を集めた。実は、その4日後から、法学部の前期期末試験が始まったという。野球漬けの毎日を送りながら、どのように勉強しているのか。

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文武両道を地で行く宮台は、現在、東大でも難関と言われる法学部の3年生でもある

 かつて、ピッチャーとして活躍した、NHK「ニュースウオッチ9」の大越健介元キャスター以来、日米大学野球選手権のメンバーに東大から選ばれたのは、2人目。

 宮台は、7月15日に行われた第3戦に先発すると、初回に150キロを叩き出し、出だしは好調だったものの、3回に1失点し、結局、敗戦投手に。とはいえ、メジャー5球団を含む日米11球団が視察し、来年のドラフト1位候補として太鼓判を押すスカウトもいたという。

 まさに、文武両道を地で行く宮台は、現在、東大でも難関と言われる法学部の3年生でもある。前期期末試験は19日から10日間にわたって行なわれるが、初っ端は、半数近くが単位を落とすこともある「民法」だった。

 一体、いつ勉強しているのか。

 東大野球部のOBが明かす。

「野球部は、午前8時から12時までが全体練習で、授業のない学生は、必ず参加しなくてはいけません。法学部は基本、授業で出欠を取られないので、宮台はほぼ毎日、顔を出しています。昼休みを挟んで、午後6時までは自主練習。宮台ら投手はウエイトトレーニングをすることが多い。オフは火曜だけで、土日はだいたい練習試合です」

 部員は約70人。そのうちレギュラークラスの二十数人がグラウンド近くの寮で生活しているという。

「寮は3階建てで、1階が食堂や風呂場。2階が寮生の部屋で、3階には寮生の部屋と洗濯乾燥機などが置かれた“大部屋”というスペースがあります。大抵の寮生は、2人の相部屋で狭いので、練習後、食堂で教科書を開いたりしています。でも、宮台は1人だけ、大部屋に行って、そこの机に向かっている。とりわけ、試験前などは、近くに誰も寄せつけないような“話しかけるなオーラ”を放って、かなり集中している様子で勉強しています」(同)

■プロ入りへ

 学業にも真剣に打ち込む宮台は、卒業後の進路をどう考えているのか。

 さらに、OBが続ける。

「1年ほど前までは、プロ入りについて、自分はそのレベルの投手ではないし、現実的ではないと否定していました。でも、最近は官僚とかを目指すのではなく、プロ入りへの意欲を口にするようになっている。気持ちは、ほぼ固まっているのではないでしょうか」

 では、プロとして通用するのかどうか。元巨人軍投手で、野球評論家の関本四十四氏に聞くと、

「スピードのあるストレートに、大きく割れるカーブが持ち球。アマチュアではトップクラスの投手です。しかも、クレバーであることは折り紙つき。ドラフトでは、間違いなく1巡目で指名されるはずです。投球フォームはオーソドックスで、バランスに優れている。どこの球団も欲しがる左の本格派。広島、巨人で活躍した川口和久投手にタイプが似ている。コンスタントに8から12勝が見込める投手に成り得る逸材です」

 守ってあげたくなるほどの弱点が見つからないのだ。

「ワイド特集 守ってあげたい」より

週刊新潮 2016年7月28日号掲載

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