東京五輪、野球が種目外のピンチ…IOCに嫌われる理由

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 そもそも野球をオリンピック種目にする必要ってあるんだろうか……なんて言おうものなら国賊扱いされかねないが、海外にはそんな疑問の声が少なくない、ということは知っておいてもいいはずだ。井の中の蛙にならないために。

 8月3日のIOC総会において、2020年東京五輪の追加種目が決まる。

 候補は、「野球・ソフトボール」に加えて「空手」「スポーツクライミング」「サーフィン」「スケートボード」の5競技。大手紙五輪担当記者が解説する。

「開催国として提案権を持つ日本としては、とにかく野球をやりたい。空手はどちらでもよく、残る3競技は、野球を認めてもらうためのIOCに対する機嫌取りです。逆に言うと、機嫌を取らないといけないくらい、野球はIOC委員たちに嫌われているわけです」

大丈夫かなぁ

 理由はいくつもある。

 第一に、国際的に認知度が低い(まともな水準は日米韓とカリブ諸国だけ)。第二に、たった6チームで争う計画である(つまり半分がメダルを獲得できる)。第三に、メジャーリーグが非協力的である(彼ら不在で世界一と言えようか)。

「まだありますよ。第四に、“被災地・福島開催”案へのブーイング。海外の“フクシマ”アレルギーは、来るリオ五輪におけるジカ熱並み。偏見とはいえ、“東京五輪なのに、どうしてわざわざフクシマなのか”との批判は必至です」

 そもそも野球は、過去に正式種目から外されたことがある“前科持ち”だ。

「総会では、各競技の可否でなく、5競技一括で採決する見込みですが、野球はそこで集中砲火を浴びる恐れがある。森喜朗東京五輪組織委員長らが“想定問答集”を作って“炎上”対策をしていますが、“野球復活”に尽力している王貞治ソフトバンク球団会長らはヤキモキしています」

 WBCとかプレミア12とか、そっちで頑張ろうよ。

週刊新潮 2016年7月28日号掲載

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