19年ぶりに発見された失踪者、蒸発理由は「愛人との駆け落ち」

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 何しろ、北朝鮮による拉致が疑われ、19年間に亘って消息を絶っていた男性が“発見”されたワケである。無事を祈り続けた家族の喜びもひとしおのはずだが、そのウラで、奇跡の生還を果たした宮内和也さん(51)は、ある複雑な事情を抱えていた。蒸発の理由が、拉致どころか、愛人との駆け落ちだったのだ。

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宮内さんが妻と3人の子供を残して失踪した背景には、知られざる人間ドラマが隠されていた(※イメージ)

 97年4月に福井県内で行方不明となった宮内さんは、北朝鮮に拉致された可能性を排除できない“特定失踪者”の1人だった。

 事態が急変したのは先月16日のことだ。

「その日、福井県警は突如として宮内さんを“県外で発見した”と発表。しかも、拉致の可能性を否定した上に、本人が“自分の意思で失踪した”と話しているというので驚きました」 

 とは県警担当記者。

 この一報を受けて、翌日には記者会見が開かれたが、発見された当の本人の姿はなかった。

「会見に臨んだのは、県の特定失踪者家族会で代表を務めていた宮内さんの義兄。敦賀署で本人と面会したという。ただ、明かされたやり取りは、義兄が“19年間、どれだけ家族が苦しみ、子供たちがふびんな生活を送ってきたことか”と声を掛けたのに対し、宮内さんが“ごめん”と詫びたというものでした。19年ぶりの再会を心から喜ぶ雰囲気ではなかった」(同)

 実は、宮内さんが妻と3人の子供を残して失踪した背景には、知られざる人間ドラマが隠されていた。

 県警関係者が語るには、

「蒸発した理由は愛人との駆け落ちで、これまでその女性と県外で暮らしていたことが分かったのです。最近になって2人は宮内さんの女性問題を巡って喧嘩をしたようで、激怒した女性が警察に彼の居場所を伝えた。結果、今回の発見に至ったのです」

■「何も分からんのですわ」

 親族が手放しで喜べないのも頷けるハナシである。

 特定失踪者問題調査会の荒木和博代表に尋ねると、

「その話は耳にしていますが、我々としてはご家族が見つかるのが何よりと考えていますので……」

 一方、地元の若狭町では、失踪直後から様々な憶測が乱れ飛んでいた。中学校時代の同級生によれば、

「和也は町役場の職員でな。失踪当日は、沈没したロシアのタンカーから漏れ出た重油の影響を調べるために、カヌーで海に漕ぎ出したはずやった。その日は大シケで、まもなく真っ二つに折れた和也のカヌーとジャンパーが見つかった。それで、町中総出で海を捜索したんや。ただ、ベテランの漁師でも二の足を踏むような天候やったから、なんでカヌーに乗ろうとしたのか、ずっと疑問やった」

 このカヌーが偽装工作に用いられた可能性は否定できない。また、

「和也の車は港に残されていたんやけど、そうすると、どうやって町を出たのか。誰かにピックアップしてもらったと考えるのが自然やと思うし、それが相手の女性だったのかもしれん。関西方面で暮らしているという噂はあったしな」(同)

 さらに、ある親族男性が、

「もちろん、生きて見つかったことは嬉しいけどやな。和也の奥さんは別の男性と生活しとるし、今さら一喜一憂することもないわ」

 と言えば、実母は、

「ほんまに何も分からんのですわ……」

 と繰り返すばかり。

 深い夢から醒めたような“発見”は、しかし、元特定失踪者の故郷に安堵よりも困惑をもたらしていた。

「ワイド特集 真夏の夜の夢」より

週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載