岸田外相「外務大臣はもういい」 次に狙うは幹事長

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

 英国のEU離脱に、バングラデシュの邦人殺害テロ事件。有事が連続して発生したのに加え、米大統領選もいまだ趨勢が判然としない。混迷を極める世界情勢を前に、他ならぬ岸田文雄外相(58)に疲労の影が見えるという。

岸田文雄外相

 政治部デスクの話。

「最近、近しい人に『外務大臣はもういい』と漏らしています」

 情けない話だが、2012年に第2次安倍内閣が発足してから現在まで、在任期間はまもなく1300日の歴代4位と、なるほど短くはない。この間、訪問国は延べ70カ国を超えている。たしかに激務には違いない。

「いや、疲れたというより今のポストに飽きたということでしょう。岸田さんの狙いは別にあると思います」

 と、さる自民党関係者。

「早ければ8月に予定されている内閣改造で、外務大臣の交代はありえます。アベノミクスを推し進める安倍政権の中にあって、麻生さんや石原さんら、経済系の閣僚の続投はあっても、外相ポストは、『そろそろ次の人に』という党内からの声に安倍さんも耳を傾ける可能性があるからです」

 晴れてお役御免となった場合、岸田氏は今後どうなるのか。この関係者の見立てによれば、

「岸田さんは、伊勢志摩サミットやオバマの広島訪問で閣僚としての実績は十分。宏池会の領袖も務めている。そこで今度は党務に戻って汗をかき、党内での評価を得て、ポスト安倍のポジションを固めたい。そんな彼が狙うのは、党のカネを握る幹事長なのです」(同)

 無論、総理のハラまでは窺い知れないが、

「現在、岸田さんを除き幹事長候補に名前が挙がっているのは菅官房長官ですが、彼は余人をもって代えがたく、留任の見方が大勢。一方、安倍さんに従順な岸田さんなら、党内コントロールもより楽になる。外相の仕事も、官邸の意向を汲み、相手国に忠実に伝えることに徹してきただけですから」(同)

 メッセンジャーとしていくら有能でも、総理の座は近づいてこない。

週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。