安倍総理の「勝てば連立政権ですね」に岡田代表困惑…野党共闘の不協和音

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岡田代表

「真に恐れるべきは無能な味方である」というナポレオンの言葉が岡田代表の脳裏をかすめたに違いない。共産党は敵か、味方か――。

 政治部記者が言う。

「19日、各所で党首討論が行われました。ニコニコ動画では、司会者が小沢一郎さんに“再婚の予定は”と聞いて激怒される場面も」

 注目すべきは別のシーン。

「NHKの日曜討論で共産党の志位委員長が“野党連立の合意を目指す”と発言したのです。対して、安倍総理は一気呵成に“総選挙に勝てば連立政権ですね!”と攻め立てました」

 岡田代表は“これからの話し合い”と返すのが精いっぱいだった。

「飛んで火に入る夏の虫ですよ」

 と官邸関係者。

「総理はかねてから“共産党アレルギーは昔より小さいので、選挙は厳しい”と警戒していて、民共分断の糸口を探っていました。街頭演説の定番は“気を付けよう、甘い言葉と民進党”。失言に気を遣い、同じフレーズを繰り返していますが、“共産党は政権をとれると誤解してるね。合併するかどうか、岡田さんに聞いてみようか”などと漏らしていた」

 そこへ志位発言。

「岡田代表は困惑しています。20日、記者団に対して、将来的な連立に含みを持たせました。ただ、党内に反対意見は多く、見通しは全く立ちません」

 と政治部デスクが言えば、さる民進党議員も、

「一緒に政権なんてできるわけないでしょ。共産党の集会に行くだけで、公安から睨まれてろくなことはない」

 と突き放す。元共産党政策委員長の筆坂秀世氏が、志位委員長の思わくを解説する。

「長い間、政局に全く影響力を持てなかったのが、“反安保”で他党と一致点を持てた。参院選後もキーマンでいるため、国民連合政府への合意に向けて努力する、と言い続けることが重要なのです。ただ、連立の実態は、安保法を廃止後、解散するという暫定政府。待ち受けているのは混乱です」

 しょせん、水と油なのだ。

週刊新潮 2016年6月30日号掲載

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