安田純平さんの妻も激怒 自称ジャーナリストが勝手に身代金交渉を行う

国際 週刊新潮 2016年6月16日号掲載

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 ジャーナリストの安田純平さん(42)がシリアで行方不明になって1年。新たに本人と見られる画像が公開されたばかりだが、そのウラには、頼まれてもいないのに身代金交渉に携わる「日本人ジャーナリスト」の影が……。災厄の種は同胞にもあり、ということか。

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 その画像が公開されたのは5月30日のこと。

〈助けてください これが最後のチャンスです〉

 なるメッセージを手にした安田さんと思しき人物の写真をご記憶のムキは少なくないだろう。彼を拘束していると目されるのはイスラム過激派「ヌスラ戦線」だが、

「この画像をフェイスブックに公開したのは、タリクというシリア人男性です」

 と、外信部の記者。

「取材に対し、タリクは、画像はヌスラサイドの“仲介者”からもらったもの、“仲介者”は交渉金として1000万ドル(約11億円)を要求している、期限は1カ月と述べている、などと答えています」

 彼がヌスラ戦線の意思を正確に伝えている確証はないが、ともあれ、安田さんの身に危機が迫っているのは間違いない。

■誤ったメッセージ

「これまで我々はまったく別のルートからヌスラ側と交渉してきました」

 と、安田さんと親しいジャーナリストの1人が言う。

「そして身代金無しでの交渉が進みかけていたのですが、急に頓挫してしまった。4月になって、ある日本人ジャーナリストらが勝手にタリクと金銭交渉を行ったことがその原因でしょう」

 この「ジャーナリスト」とは、西谷文和氏(55)のことである。西谷氏は、もともと大阪府吹田市の職員。2004年に退職し、以後、中東地域を“取材”し、テレビや新聞でその“成果”を発表している。ところが、

「彼は本件発生直後から、ザハス(仮名)という在日シリア人と組んで、この問題にタッチしてきました。が、ザハスが昨年秋、あろうことか、シリアへ交渉に行く際の旅費を要求して安田さんの奥さんの信用を失い、2人は相手にされなくなったのです」(同)

 この時点で西谷氏らは手を引くのがスジ。しかし、

「その後も現地のブローカーらと接触を続けた。中でも怪しい1人がタリクです。ザハスは4月にトルコを訪れた際、彼やその仲間と接触し、“1億円を支払ったら帰す”と言われて勝手に金銭交渉をした。もちろんその場はまとまりませんでしたが、こうした動きがヌスラ側に“日本からは金が取れる”という誤ったメッセージを与え、先日のタリクからの金銭要求に繋がったのは、想像に難くありません」(同)

 これを知った安田さんの妻は再び激怒。2人に抗議のメールを送ったという。

 当の西谷氏に聞くと、

「あれはザハスが単独で行ったこと。私とザハスが一体というのは誤解で、金銭交渉も、彼の帰国後に初めて知ったくらいです」

 と無関係を装う。だが、一方のザハス氏に聞くと、

「タリクらと話をしている時に西谷さんに電話をしました。すると“頑張って。奥さんも政府も放っておいてとにかく安田さんの命を助けて”と言われました」

 すぐに矛盾が露呈するようでは、その「ジャーナリスト」の肩書につい「自称」と付けてみたくなる。

 ジャーナリストの常岡浩介氏の話。

「西谷さんたちは自分たちのしていることが唯一の解決策だと思っている。それが胡散臭い連中の“御用聞き”に過ぎないことに気がつかないのです」

「交渉期限」は、残りひと月を切った。安田さんの命運は果たしていかに。

「ワイド特集 うまい話に裏がある!」より