“闇カジノ”桃田の陰で大活躍 女子バド・山口茜が世界女王を撃破

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 墨汁に墨汁をいくら混ぜても変わらないが、少量の透明の液体は一滴の墨汁で汚濁する。同じ“賭博スキャンダル”でも、プロ野球界とは比較にならないほどバドミントン界のイメージダウンは深刻である。

厳しい処分を受けた桃田賢斗

 闇カジノに出入りしていたとして、世界ランキング2位(現在は3位)の桃田賢斗(21)らが厳しい処分を受けたのは周知の通り。事件が発覚したのは、シンガポール・オープンの開幕直前だった。が、そこで、

「人知れず大活躍をした女子選手がいたんです」

 と大手紙五輪担当デスクが明かす。

 彼女の名は山口茜。3月に福井県の高校を卒業したばかりの18歳だが、13年、14年世界ジュニア連覇、同年全日本総合選手権優勝、と国内外で申し分ない実績を挙げている。

 女子シングルスといえば、昨年12月、男子の桃田と並んで日本人初のスーパーシリーズファイナルズを制した奥原希望(のぞみ)(21)が日本人最上位の世界ランク4位にいる。だが、同11位の山口も負けていない。

 15日に行われたシンガポール・オープン準々決勝で、世界選手権2連覇中にして世界ランク1位の“絶対女王”カロリナ・マリン(22)を撃破したのだ。

 ところが、この快挙はほとんど報じられなかった。前日の14日に、卓球の伊藤美誠(みま)が世界女王を破った一戦は大々的に報じられたというのに。

「正直言って、桃田の件があるので、扱いづらい」

 と先のデスクは残念がる。

 凶事は重なるもので、

「山口が今春入社した再春館製薬所は、今回の熊本地震で震度7を観測した益城町(ましきまち)が拠点。なので、熊本ではなく福井の実家に身を寄せて、次週の中国遠征に備えることになりました」

 リオ五輪は4カ月後。バドのイメージ一新、そして新たな故郷、熊本に錦を。

週刊新潮 2016年4月28日号掲載

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