トランプ氏「あなたに金持ちになってほしい」 「金持ち父さん」と共著を出していた

国際週刊新潮 2016年4月14日号掲載

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「You're fired!」(お前はクビだ!)。人気番組『ジ・アプレンティス』でそう叫ぶドナルド・トランプ氏(69)は、日本に対してもシビアだ。5カ月続く米大統領予備選もいよいよ後半戦に入る。結果次第では、ツテを求めて、日本政府が「金持ち父さん」を頼ることになるのだろうか。

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 3月29日、ウィスコンシン州で行われたトランプ氏の集会は相変わらず外に数千人が溢れるほどの盛況だった。共和党の大統領候補の指名まで、あと代議員約500人。だが、日本政府は、今のところ傍観しているだけである。国際政治学者の島田洋一氏(福井県立大教授)が言う。

「先日、駐米大使の佐々江賢一郎さんと話したのですが、日本政府としては意図的にトランプ陣営と接触していない。通常、外務省が大統領候補と接触するには、国務省ルートで親しい議員から紹介を受けるのですが、上院でトランプを支持しているのは中南米通の1人だけ。また、大統領を目指す人はシンクタンクから政策アドバイザーを招きますが、トランプの場合はTVコメンテーターだったりする。無理に接触すると“ほら見ろ、オレ様に頭を下げてきた!”なんて言われてしまいますから」

 とは言え、連戦連勝を重ねる有力候補を放ったらかしにするわけにはいくまい。

 トランプ氏と関係のある日本人(および日系人)と言えば、“山梨のバブル紳士”柏木昭男氏が有名だが、こちらは故人。だが、もう1人の知人・ロバート・キヨサキ氏(69)は健在だ。しかも、トランプ氏とは共著を出す仲である。

金持ち父さんと「超金持ち父さん」

■派手な倒産経験も

 ご存じのようにキヨサキ氏は『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者。日系4世で、ゼロックスの営業マンを経てサーファー用のグッズでひと山当てると47歳で引退。余暇を使って書いた同シリーズが世界で累計2800万部の記録的ベストセラーとなった。

 2人の出会いは2005年11月、シカゴの「不動産エキスポ」で聴衆にトランプ氏を紹介する役目がキヨサキ氏だった。2人はすぐに意気投合し、06年に『あなたに金持ちになってほしい』(筑摩書房)を出している。そこに、キヨサキ氏がトランプ氏から話しかけられるシーンがある。

「ちょっと話したいことがあるんだ。今、時間あるかい?」

「ええ、もちろん」

「きみはパーソナルファイナンス関係の本の著者としてナンバーワンで、私はビジネス書の著者としてナンバーワンだ。一緒に本を書かないか? どう思う?」

 有名人同士が本を出せばベストセラーになるという理屈だが、同書は全米で50万部売れ、続編も出版された。この2人、共通しているのは、主に不動産投資を生業にしていること。そして、ともに派手な倒産経験があることだ。経済評論家の山崎元氏が言う。

「彼らが財を成した方法は、資産が100億円でも借金で4〜5倍に膨らませて激安物件に投資するというものです。うまくいけば大金持ちですが破産のリスクも大。日本人にはちょっと真似できません」

 ギャンブラーはギャンブラーを知るということか。来年、新大統領を迎えるワシントンDCのポトマック河畔は今、桜の真っ最中である。

「ワイド特集 櫻の樹の下には」より