居酒屋業界で一人勝ち「鳥貴族」が一部上場 “低価格、国産国消、喫煙OK”

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 焼き“鳥”を提供する店で、お客様を“貴族”のように扱う。大倉忠司社長(56)が、こんな理念を掲げて焼き鳥チェーン「鳥貴族」を設立してから今年で30年を迎える。2年前、ジャスダックに上場し、昨年東京証券取引所二部に“鞍替え”したばかりだが、4月1日には一部上場を果たした。この驚異的なスピード昇格の原動力は何か。

目を引くド派手な看板

 鳥貴族株の初日終値は2205円で、前日比55円安で商いを終えた。ご祝儀相場とはならなかったものの、創業以降、業績は右肩上がりで推移している。2015年7月決算を見ると、売上高186億5988万円、当期利益5億8548万円で3年連続の増収増益を記録した。経済誌の外食担当記者の分析では、

「居酒屋業界は、鳥貴族の一人勝ちです。その強みは全品280円均一、税込み302円という低価格。加えて“国産国消”を謳って、国産食材の比率が98・2%を占めているので、味も悪くない。顧客は若者や財布の中身が寂しいサラリーマン中心、加えてガイドブックに掲載されたので外国人観光客からも支持されています」

 店舗数は458で、業界最大手「ワタミ」の504に迫る勢いだ。さらに、こんなライバル店との違いも。

「居酒屋業界でも禁煙の動きが広がり、喫煙所のみでの喫煙という店が増えている。ですが、鳥貴族は基本的に全席喫煙OK。つまり、喫煙者は気兼ねなく煙草を吸えるわけです」(同)

 今後、価格の変更や禁煙ブームに流される可能性はあるのか。鳥貴族の広報担当者によれば、

「価格変更も、全席禁煙にする予定もありません」

 ちなみに、大倉社長の長男は関ジャニ∞の大倉忠義で、約1万株を保有する大株主だ。

週刊新潮 2016年4月14日号掲載

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