「新幹線」開通なのに“大会議”を取り逃がした「函館」

社会週刊新潮 2016年4月7日号掲載

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 開業初日61%、2日目37%。3月26日に開業した北海道新幹線の乗車率だ。

 幸先よろしくないが、元凶は東京から新函館北斗の所要時間。最速でも4時間2分では航空機に敵わない。年48億円の赤字が見込まれ金食い虫と揶揄される中、ご当地では祝賀ムードに水を差すこんな話もある。

「全国から5000人以上が集まる土木学会の大会が函館から札幌へと変更になったのです。新幹線開業に合わせて昨年オープンした函館アリーナなどを会場にして、2年後の9月開催を見据えて準備をしていましたが、受け皿となるホテルが足りないということが発覚。かなりの経済効果を見込んでいた地元にとっては、青天の霹靂ですよ」(経済部記者)

 せっかくハコモノを作っても、夜露を凌ぐ寝床がなければ話にならない。取り逃がした市の言い分も聞こう。

「研究者など単身で来る方はホテルのシングルを好まれますから、秋は他の学会やスポーツ大会なども重なり、予約が取りづらいと思われたのかもしれません。確かに市内の宿泊施設の収容能力はシングルに限れば約6000室ですが、近郊の湯の川温泉の旅館などを合わせれば約9000室。全体で2万人強のキャパがある。昨年10月の病院の学会では、会期は2日間なのに温泉で5泊もしてゆっくり過ごしたお医者様もいました」(市コンベンション推進課)

 大きな獲物こそ逃したものの、アリーナの稼働率は順調だと胸を張るのだ。

「今年は1000人規模の学会、研究会が3つ開かれますし、5月には小田和正さんのライブもあります」(同)

 肝心のお客さんたちが、新幹線に乗りさえすれば万々歳なのだけれど――。