カンヌで物議“愛”がほとばしる「3D映画」

映画週刊新潮 2016年4月7日号掲載

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“愛は精液、体液、そして涙――”。こんなあけすけな惹句は見たことがない。フランスとベルギーの合作映画『LOVE【3D】』。愛を立体的に、しかも大きなスクリーンで受け止めることになる。

「若妻、幼子と暮らす主人公のマーフィー。ある朝、元恋人の母親から電話が入る。彼女が行方不明だという。マーフィーは、彼女と過ごした2年の蜜月を思い出す――」と、ストーリーを書けば、なんだかロマンチックな予感。とはいえ、アルゼンチン出身でフランス在住の鬼才、ギャスパー・ノエ監督は、強烈な描写で物議を醸すことでも有名だ。

「昨年のカンヌ国際映画祭で観客が殺到した話題作。監督は愛と性は切り離して考えられず、若いカップルの情熱や日常を肉体的、精神的に描き出したい、と話していましたね」(映画記者)

 試写会に足を運んだ映画評論家の北川れい子さんは、

「もう冒頭からむさぼるように求め合っています。最初はドキッとしますが慣れてきます。痩せぎすではない女の子なので3D映像でなおさら肉感が伝わります。もちろんボカシのオンパレードですが」

“3D”ならぬ、女性ふたりと男性ひとりによる“3P”があったりの、2時間15分。

「不快な感じはせず女性でも直視できます。欲情させることを狙ったエロ映像ではなく、男女からあふれる感情と行為をそのまま撮った印象です。愛の悦びや残酷さ、過去の愛を忘れられない男の姿を感じました。もし、興味本位で見始めても激しい愛に打ちのめされて、粛然とした気持ちで帰ることになるかもしれません」(同)

 日本では4月1日から全国で公開される。本作は3Dで撮影するためフランスの国の機関から助成金を受けたそうな。モナムール。