自民党から出馬「乙武クン」が非自民に書いていた出馬宣誓書

政治週刊新潮 2016年3月24日号掲載

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 いよいよ「真打ち」の登場である。夏の参院選に向け、各党、目玉候補の獲得に躍起になっているなか、とりわけ熱心なのが自民党だ。元国民的アイドル「SPEED」の今井絵理子氏がその先陣を切った格好だが、今回、同党の候補として浮上したのは「国民的いい人」の乙武洋匡(ひろただ)氏(39)。でも、アレッ? ここに1枚の〈宣誓書〉が……。

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 3月8日夜、日本テレビ系の『NEWS ZERO』は、こんな「スクープ」を報じた。

〈自民党が来る国政選挙で、著書『五体不満足』などで知られる作家で元東京都教育委員の乙武洋匡氏の擁立に向け、最終調整していることが分かりました〉

 大手メディアの政治部記者が解説する。

「かねて政界進出が噂されていた乙武さんは、2013年から務めていた東京都教育委員を、昨年末、任期途中にも拘(かかわ)らず『一身上の都合』で突如辞職しました。ついに国政選挙の準備を始めたと話題になり、焦点はどこの政党から出るかでしたが、この度、日テレが『自民党』と報道。同党幹部発の情報で、裏付けの取れた固い話だそうです」

 抜群の知名度を誇る乙武氏が、自民党にとって最強の「客寄せパンダ」となることは間違いあるまい。

 生まれつき両腕と両脚がない先天性四肢切断という障害を抱えた乙武氏は、早稲田大学在学中に『五体不満足』を出版。450万部を超える大ベストセラーとなり、一躍、時の人となったことは周知の通りである。

 そんな彼の「売り」は、障害を抱えながら、卑屈さを全く感じさせない明るさにあると言ってよいだろう。いわば「爽やかな障害者」として、同じ立場の人たちはもとより健常者からも好感を持たれてきたのである。

■〈ここに誓います〉

「しかし、本当にこれでいいのでしょうか……」

 と、首を傾(かし)げるのは乙武氏の関係者だ。というのも、

「乙武さんは、友人で、『タリーズコーヒージャパン』創業者としても知られる松田公太参院議員が代表の『日本を元気にする会』(以下、元気)から出馬する約束をしているんです」

 実際、手元に存在する乙武氏のサインが入った、昨年10月21日付の〈宣誓書〉にはこう明記されている。

〈私、乙武洋匡は、平成28年夏の第24回参議院議員通常選挙において、東京都選挙区又は比例区のいずれかより日本を元気にする会の公認候補として出馬(中略)することをここに誓います〉

 ところが、

「いざ選挙が近付いてくると、彼は老舗の自民党からの出馬に傾いていった。元気は所属国会議員4人の小所帯。要は、やっぱり寄らば大樹と心変わりし、あっさりと弱者・元気を捨て、強者・自民党に駆け込んだわけです。ああ見えて、彼、計算高いですからね」(別の関係者)

 まさか! 爽やかで「弱者の味方」であるはずの乙武クンのイメージとは些(いささ)か異なるような気が……。

 乙武事務所は、

「(宣誓書は)事務所では把握しておりません」

 乙武氏は「筋」を通すのか、「ブランド」を選ぶのか。いずれにせよ、彼の対応に「不満足」感を覚える人が出ることになりそうだ。

「ワイド特集 春色の時限爆弾」より