「松方弘樹」に加えて「丸山茂樹」「羽川豊」の名も “融資詐欺疑惑”企業の役員への賠償請求

芸能週刊新潮 2016年3月10日号掲載

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松方弘樹

 松方弘樹(73)が取締役を務める企業に浮上した“詐欺”疑惑――。契約内容を偽って巨額の融資を引き出したとして、船舶の運航管理を手掛ける「ラムスコーポレーション株式会社」と、船舶を所有する関連企業38社を合わせた「ユナイテッドオーシャン・グループ(UOG)」は、昨年末、東京地裁から会社更生手続きの開始決定を受けた。

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 世界的な海運企業「日本郵船」との間に、船を貸し出す傭船(ようせん)契約を結んでいたため、各メガバンクからの融資を集めることができていたUOG。その“手口”を海運関係者が解説するには、

「ある銀行と取引する際、UOGは日本郵船との契約期間を、契約書にある10年ではなく20年に書き換えていた。また、1日当たりのリース料(傭船料)も、実際は契約年数に応じて金額が変動するのに、固定で2万ドルと報告している。金融機関はこれを“改竄(かいざん)行為”と判断し、UOGを破綻に追い込む債権者申し立てを敢行したのです」

 さらに、船の建造費の“水増し”申請も指摘されている。

 UOGを一代で築き上げたインド系実業家のヴィパン・クマール・シャルマ社長は“接待攻勢”を積極的に採ったという。松方を役員に招いたのも、取引先企業の重役クラスに通じる『仁義なき戦い』や『遠山の金さん』主演での知名度を見込んでのことだった。

 役員欄には松方の他にも、プロゴルファーの丸山茂樹や、羽川豊の名前が並んでいる。

「UOGが主催するゴルフコンペに参加してもらうだけでも、取引先が喜ぶと考えたのだと思います。シャルマ社長はパーティー好きで進水式はもちろん、クリスマスや新年会も大々的に開催していました」(UOG関係者)

 また、元F1レーサーの鈴木亜久里も、取締役に誘われた1人だ。シャルマ社長との関係について本人に尋ねると、

「ヴィパン(シャルマ社長)とは、麻布十番の『ピッコログランデ』というイタリアンレストランで十数年前に知り合いました。意気投合して色んな会合に誘われるようになったけど、彼はいつも銀行や海運業者のお偉方と一緒でしたね。ヴィパンにとっては遊びも含めて全てが“接待交際”の一部だった。何度か“うちの取締役になりなよ”と誘われましたが、僕に出来ることはないと思ったので断っています」

■「なぜ巻き込まれたのか、理解できません」

 一方、先の羽川は2000年から現在に至るまでラムス社の役員を務める。“世界のレフティ”と呼ばれた彼にとっても、破綻劇は寝耳に水だったようで、

「契約関係はシャルマがひとりで決裁しているので詳細はわかりません。ただ、銀行とは良好な関係を築いていたし、返済が滞ったこともない。それなのに突然、取引がストップして、会社更生を申し立てられてしまった。なぜ“不正融資疑惑”に巻き込まれたのか、本当に理解できません。ひとまず弁護士に全ての資料を渡して東京高裁に抗告していますが……」

 と困惑するばかりだが、前出のUOG関係者は金融機関への憤りを隠さない。

「シャルマ社長は、“日本の銀行は本当に恐ろしい”と嘆いています。問題の傭船契約は、銀行の担当者から“契約期間を20年にしてほしい。傭船料も変動ではなく固定にしないと融資を通せない”と頼まれたという。造船費の水増し疑惑についても個人的に流用したわけではなく、銀行側も把握していた、と。なぜ今になって破綻に追い込むようなマネをしたのか理解に苦しみます。これでは貸し剥がしと変わりません」

■名目上の取締役にも責任

 シャルマ社長と融資担当者の聞で申し合わせがあったにせよ、実際に改竄行為があったなら責任を免れることは難しかろう。その責任の一端は取締役にも及ぶ危険性があるという。

「有名人がCMに出演して企業をPRするのと、取締役に就任するのとでは責任の重さが全く異なります」

 とは、企業法務に詳しい高橋弘泰弁護士だ。

「取締役は企業と委任契約を結んで、経営判断や具体的な業務執行を行う立場です。その職務にはコンプライアンス上の問題点や、違法行為をチェックする監視義務も含まれます。過去の判例でも、社長の業務執行を全く監視せず、独断専行に任せているうちに第三者が損害を負ったケースで、名目上の取締役に損害賠償責任が認められた。もし、取締役としての在任期間中に不正があったなら責任を問われても仕方がない」

 脳腫瘍が発覚し病に伏せる松方に、“仁義なき”賠償請求が、怒濤のように襲いかかろうとしているのだ。

「特集 船主会社取締役に名を連ねて轟沈! 脳腫瘍『松方弘樹』の危機は1000億円“融資詐欺”の賠償」より