西武から縁切りされた「堤義明」の両手に50億円と愛人

社会週刊新潮 2016年3月17日号掲載

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 家督を継ぐ者は堤家を永遠に繁栄させるべし――。かつて、西武グループを興した堤康次郎は、「遺訓」にそう記していたという。だが、西武グループの持ち株をすべて手放してしまった堤義明氏(81)に、この言葉を守るすべはない。手元に残ったのは、50億円の金と2人の愛人である。

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 西武ホールディングスが255億円もの「立て替え金」を、堤氏らから回収すると発表したのは2月10日のこと。

「西武鉄道の株を部下名義にしていた(名義株)事件で2005年に証取法違反容疑に問われた堤氏は、発覚前に同社の株を取引先などに売り回っていました。名義株を隠すためです。ところが、事件前年に西武鉄道は上場廃止となっており、損失を被った株主から次々と訴訟を起こされたのです」(元西武グループ幹部)

 賠償額は後に西武ホールディングスが肩代わりしたが、昨年8月、堤氏ら、当時の経営陣4人が弁済を申し出てきたのだ。

「そうはいっても、堤氏らにそんな現金はありません。そこで、会社側が求めたのが、グループ内の持ち株会社、『NWコーポレーション』の株を手放すことだったのです」(同)

 NWコーポレーションとは、グループの中核会社・旧コクド(国土計画)を引き継いだ会社。今でも西武ホールディングスの株を約15%持ち、堤氏は、そのNW社の4割近い株主である。

 西武ホールディングスの関係者が言う。

「今回、堤氏らが手放した株は910株。これは議決権を行使できる3分の1以上になり、株数がまとまっている事から1株3400万円の値段がつけられました。結果、堤氏らの手放す株は約309億円となり、そこから当社が立て替えていた255億円(遅延損害金含む)を差し引いたというわけです」

 堤氏には差し引き約54億円が残る計算だ。かつて3兆円の資産家と言われた頃にしてみれば、ずいぶんと安い“手切れ金”に見えるが、今の堤氏にしてみれば、十分すぎる額だろう。

■ファミリー企業

 その堤氏は表向き神奈川県二宮町の屋敷に住んでいることになっている。ここには夫人も住んでいたが、近所の住民によると最近は姿を見かけないという。

「堤さんの行状に呆れ果てて出て行ったと聞きました。もともと堤家には『高輪スポーツ』というファミリー企業があります。テニススクールを運営し夫人が代表になっていた。NW社の株も29株持っており資産は10億円近くになる。ところが4年前、夫人が代表を外れ、埼玉県の入間市に登記を移しているのです」(前出の元西武グループ幹部)

 入間市の住所には、堤氏の愛人・O女史が住んでいる。もともと東京・杉並区の邸宅に住まわせていたことから“荻窪夫人”と呼ばれていたが、事件後、入間市の約1万平方メートルの邸宅に転居。堤氏が7億6000万円の金融債と月々75万円の“お手当”を渡していたことが明らかになっている。そんな愛人のところに大事なファミリー企業を移したのだから夫人も面白いはずがない。

「しかし、そのO女史が住む邸宅にも堤氏は最近行ってないようです。むしろ、堤氏は、コクド時代の秘書で、その後愛人になったT女史と行動していることが多い。彼女は“コクドの女帝”と呼ばれ、軽井沢の広大な別荘を堤氏から譲ってもらっています」(同)

 傘寿を過ぎて西武グループから縁を切られた堤氏に残った肩書は「JOC最高顧問」。あの世の康次郎氏が見たら何と言うだろうか。

「60周年特別ワイド 輝ける明日への遺言」より