自民党は高みの見物 トホホな「民維」新党名選考
「ブーメラン党」「七転八党」「挑戦労働党」――。
3月4日から3日間、公募された民主と維新の「新・党名」は世間のお笑い草となったが、当事者たちは必死である。
小異を捨てて大同に?
「約70人いる落選中の次期衆院選公認内定者に、1人につき200万円の臨時手当を出すことになりました」
とは、民主党関係者。
「党名の問題は『民主』の名称を残すかどうかの一点に集約されますが、いずれにせよ、現状通りの『民主党』になる可能性は極めて低い。そうなると、ポスターの刷り直しや貼り換えばかりか、既に刷ってあるビラを党名が変わるまでに配ることも必要になってくるので、先ずは懐が寂しい落選組に支給することになったんです」
どれほどの効果が得られるかはさて置き、問題の「党名」は、民主の赤松広隆氏と維新の江田憲司氏などの4名による実務者協議で決定される。
「赤松さんと江田さんは、双方の強硬論者です。赤松さんが、コアな支持層が離れないように、略称が『民主』となる名前を求める一方で、江田さんはゼロベースでの見直しを主張している。厳密には民主による維新の吸収合併ではあるものの、全く違う名前に変えることで新党のイメージを演出しようというわけ。今後は公募で集まった約2万件の案を参考にしながら絞り込みを行い、18日までに決める予定ですが、双方ともに一歩も譲らない構え」
もっとも、彼らの共通の敵である自民党のセンセイ方は、高みの見物だ。
「『民主』の名称が残れば与党時代の悪いイメージが付きまとう。全く新しい名前になれば、浸透するのに時間がかかるし、衆参比例区の投票時に誤って『民主』と書く人が出れば、それだけ無効票も増えます。自民にとっては、名ばかりの新党よりも、野党の実質的な選挙協力の方が脅威になる。野党の総裁時代に若手から党名変更を迫られた経験がある谷垣禎一幹事長は、“名前だけ変えてもね”と、冷ややかに見ていますよ」
結党大会まで、あと約2週間――。
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