ヒゲの隊長も熱く推薦! 子どもに読ませたい「国防の寓話」

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 昨年の平和安全法案に関する論争の中で、反対派とされる人たちの意見の中に、「自衛隊員の危険が増す」というものがあった。

 これまではPKOなど海外での活動で死者を出さずに済んでいたのに、これからはそうはいかなくなる、戦争に巻き込まれて死ぬリスクが高まる――というロジックだ。

 もちろん、そういう考え方もあるのだろうが、奇妙なのはこうした論者が、最も現場を知っているはずの自衛隊員たちの意見にあまり耳を傾けなかったことだ。

 たとえば、2004年の自衛隊イラク派遣において隊長をつとめ、「ヒゲの隊長」として知られる佐藤正久氏(現参議院議員)は、「現場が迷ったり、無理をしたりしない環境を作る」責任が政治にはあるという立場から、この法案に明確に賛意を示していた。

 その佐藤氏が、最近、熱烈な推薦コメントを寄せた本が、百田尚樹氏の最新刊『カエルの楽園』だ。

『永遠の0』『海賊とよばれた男』等のベストセラーで知られ、過去、様々な作風に挑んできた百田氏が作家になって10年目という節目の年に新たに挑んだのは、「寓話」というスタイル。

 人間は登場せず、カエルや鳥といった動物だけでストーリーは進む。

 楽園を求めてカエルが旅を始めるところから始まるので、何ともほのぼのとした話だと思って油断していると、次第に読者は自然と現在の日本の置かれている状況、たとえば安全保障、軍事、マスコミの偏向といった重いテーマを考えさせられることになるという仕掛けである。

 佐藤氏は、自身のツイッターで次のように述べている。

「百田尚樹氏のカエルの楽園を一気に読破。

 ハッキリ言って良書だ。

 是非、多くの若者に読んでいただき、原則を盲目に受け入れるのではなく議論をしてもらいたい」

 隊長の推薦の効果もあってか、実際に、百田氏のもとには中学生読者からの反響や、親世代からの「子どもに読ませたい」といった声も届いているという。

デイリー新潮編集部

2016年3月9日掲載

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