“ドングリの背比べ”とは情けない「男子マラソン」五輪選考

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 マラソンのリオ五輪代表選考が大詰めを迎えている。

 女子は、1月の大阪国際を好記録で制した福士加代子(33)を中心に喧々囂々。一方、男子は、低レベルな選手が候補に挙がる“ドングリの背比べ”状態でややこしいことになっている。

 2月28日に行われた東京マラソン。“元祖山の神”の今井正人(31)をはじめ、14年アジア大会銀の松村康平(29)、ロンドン五輪代表の藤原新(34)ら有力選手が多数招待された。だが、大手紙陸上担当記者によると、

「皆がマークしていた今井が不調でペースを上げられなかったため、総倒れになってしまった」

 代わりに、高宮祐樹(28)なる無名の一般参加選手が日本人トップの全体8位でゴールしたが、2時間10分台と平凡な記録だった。

 実は、12月に行われた福岡国際でも、佐々木悟(30)という一般参加選手が2時間8分56秒と可もなく不可もない記録で日本人トップとなっている。

 福岡国際、東京マラソンときて、残る選考会は、3月6日に行われるびわ湖毎日のみ。ところが、有力選手が乏しい。強いて挙げるなら、一般参加の“公務員ランナー”こと川内優輝(28)なのだが、

「川内は福岡国際で日本人4位と惨敗し、陸連は“複数大会走った際の2回目以降のレースは評価対象外”と定めている。2時間6分30秒を切った場合に限り例外的に評価されるのですが、それは無理筋。ただ、そこまでいかなくても、佐々木や高宮より良い記録で日本人トップなら十分ありうるんです。そのとき陸連が川内を選ばなければ……世論は大ブーイング必至です」

 もはや、どの“ドングリ”を選んでも大差ないようにも思えるのだが、

「面白そうなのは、初マラソンながら東京で日本人2位になった青学大2年の下田裕太(19)。2時間11分34秒ですが、これは日本人10代の最高記録。伸びしろに期待したい」

 本物のレースより選考レースの方が見どころあり!?

週刊新潮 2016年3月10日号掲載

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