“入院”理由に国会を欠席した「西室泰三社長」の命運

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 自民党の中川郁子代議士の例をみれば一目瞭然。昔から政治家の入院は、野党やマスコミからの攻撃をかわすための“方便”に過ぎない。では、日本郵政の西室泰三社長(80)の場合はどうか。

 産経新聞ネット版が、西室社長の入院を報じたのは2月22日の午後だった。記事によれば、西室社長は8日から検査入院しているが、病状は不明。退院のメドはついていないというのだ。さっそく日本郵政の広報部に聞くと、

「確かに、8日から入院しているのは事実です。検査入院であり、重篤な病状ではないと聞いています」

 また、産経は、“昨秋から検査入院を勧められていた”と報じたが、

「年始から日本郵政のみならず、古巣の東芝にも毎日のように“出勤”するほどお元気でしたよ」

 こう苦笑するのは、財務省関係者だ。

「実は、西室さんは23日の衆議院総務委員会に参考人招致されていたのです。委員会では民主党の小川淳也さんから、マイナス金利政策による日本郵政への影響を聞かれる予定でした。そこで西室さんの発言を懸念した官邸の意向が働いて、退院を先延ばしすることになったのではないでしょうか」

 一体、官邸は何を懸念したのか。

「マイナス金利で、日本郵政傘下のゆうちょ銀行が被るダメージは計り知れません。西室さんは、歯に衣着せぬ発言をする謹厳実直な性格。万が一、彼が“黒田批判”とも受け取れるようなことを言えば、安倍政権の経済政策を根幹から揺るがしかねない状況を招く恐れもある。そこで元官僚を代役に立てたのです」

 そもそも東芝問題もあり、西室氏を切りたかった官邸。これを理由に、“勇退”が早まるのは確実だ。

週刊新潮 2016年3月3日号掲載

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