両代表は握手でも画餅に見える「民主」「維新」合流

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「『立憲民主党』、略して『民主』じゃ話にならない」

 2月23日、民主党の岡田克也代表(62)と維新の党の松野頼久代表(55)が「合流」で大筋合意したことが報じられると、維新のある議員はこう呟いた。

「岡田さんと松野さんは、3月中に維新を解党し、民主は1人を残して全員を離党させたうえで、党名を変えた民主に皆で合流する方向で話を進めています。が、我々が本来、求めていたのは、あくまでも双方が解党したうえでの新党。民主が『維新の党』に名前を変えてもいいというなら別ですが、候補に挙がっている『立憲民主党』のような代わり映えのしない名前じゃ、呑めません」

これからが正念場

 夢の「野党再編」に向けて一歩進んだかのように報じられたが、維新の党内手続きは一筋縄ではいきそうにない。

「最大のハードルは地方議員です。維新が解党を決めるには、党大会での議決を経る必要がありますが、うちの場合は26人の国会議員のみならず、約80人の地方議員と約10名の支部長も、同じ1票の議決権を持っている。で、2月10日に地方議員から民主との合流について意見聴取をしたところ、大方が反対の立場でした。彼らの多くは、東京や神奈川で活動している旧みんなの党の人たちで、選挙や議会で民主と戦っているため、一緒になること自体、容認できないというわけ」(同)

 つまり、「党名」の如何にかかわらず、維新の「解党」が党大会で否決される可能性も少なくないのである。

 政治部デスクが言う。

「一方の民主党内でも、地方組織が解党に難色を示していたため、党名変更が岡田さんの精一杯の決断でした。とはいえ、当初の新党構想に比べれば、インパクトに欠ける“妥協の産物”。有権者の期待が集まるかといえば、難しいでしょう」

 大筋合意の直前に産経新聞とFNNが行った合同世論調査では、63%もの人が民主と維新の合流に「期待しない」と答えた。小手先の「党名変更」なら、もっと増えるに違いない。

週刊新潮 2016年3月3日号掲載

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