「沖田浩之」36歳で謎の自死に隠されていた「8000万円」の抵当権

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■連帯保証人の判子

 当時の登記簿謄本を見ると、兄が社長を務めていた「共栄不動産」は、川崎市役所の近くに5階建ての自社ビルを所有していたことが分かる。ところが、ここには極度額3億円もの根抵当権が設定されていた。また、実家は兄の言葉通り沖田が相続していたものの、地元の金融機関から8000万円の抵当権が設定されていたのである。

 先の芸能記者が解説する。

「葬儀からしばらく経って、謄本をもとに、この点を問い質した記者もいたのですが、お兄さんは“あくまで書類上のこと”との主張を繰り返した。彼も、沖田の死から3年後の02年4月に自ら命を絶ちますが、自分が弟に借金を背負わせていた事実は最後まで認めず仕舞いだったのです」

 あくまで真相を胸に秘め続けた沖田の兄。その理由は己の無力を恥じた世間への見栄か、或いは純粋な弟への思いやりだったのか。

 先の叔父が後を引き取る。

「後から聞くと、お兄さんは、会社を引き継いだ途端に不動産事業を拡大しようとして大失敗をしたそうです。堅実な商売に徹した父親のようにはいかず、時流を読むこともできなかった。バブル経済の崩壊という大きなうねりの中で、弟に連帯保証人の判子を押させてしまったのですね」

 それこそが悲劇の始まりだったのだ。

「60周年特別ワイド 『十干十二支』一巡りの目撃者」より

週刊新潮 2016年2月25日号掲載

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