SMAP 明暗別れた「生謝罪」自信溢れる木村と生気ない4人

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 昨秋以降、事務所脱退の動きが水面下で進んでいた「SMAP」。木村拓哉(43)を除く4人は、辣腕女性マネージャー・飯島三智氏(58)と共に独立しようと甘い夢を見た。しかしながら、その目算が狂って、ああやんぬるかな。結局、ジャニーズ事務所の総帥であるジャニー喜多川社長(84)、並びにメリー喜多川副社長(89)に頭を下げ、十分とは言えないまでも赦(ゆる)されたのである。

ジャニーズ事務所

 そしてその結果が、去る18日に放送された『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)冒頭の「生謝罪」だった。

 彼らが陳列された人形のようだったのも無理はない。そこでの5人の説明には、元の鞘に収まるための周到な振り付けが用意されていたからである。そういった完璧な脚本が整えられていった流れについては後述するとして、まずはカメラ前における彼らの発言と表情から振り返っておきたい。

■何があっても前を見て

 センターに陣取る木村が口火を切る。

〈先週から我々SMAPのことで世間をお騒がせしました。このままの状態だと、SMAPが空中分解になりかねない状態だと思いましたので、今日は自分たち5人がしっかり顔を揃えて、皆さんに報告することが何より大切だと思いました〉

 滑らかな口吻(こうふん)は、気負いなど微塵も感じさせない。ここから、チーフマネージャーと共謀した叛徒の出番である。画面向かって右側に位置する稲垣吾郎(42)がお座なりな体で、

〈申し訳なく思っております〉

 とした後、さらに右側に立つ香取慎吾(38)は目を潤ませ、

〈皆さまと一緒に、今日からまたいっぱい笑顔を作っていきたいと思っています。よろしくお願いします〉

 と言ってはみたものの、莞爾(かんじ)として笑う余裕などない。続くは画面左端の中居正広(43)をカメラは捉える。何年も蓄積した溜息を吐き出すかのように、

〈えー、今回の件で、SMAPが、どれだけ皆さんに支えて頂いているのかということを、改めて、強く感じました〉

 そして、中居の右隣に並ぶ草なぎ剛(41)にバトンが移り、

〈みなさんの言葉で気付いたこともたくさんありました。本当に感謝しています。今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれて、今僕らはここに立てています。5人でここに集まれたことを安心しています〉

 再登場した木村が抑揚のある声でもって、

〈何があっても前を見て、ただ、前を見て進みたいと思っています〉

 と締め括ったのだった。

■“まだ赦されていない”

「前を見て」を2度重ねて強調したこと。それこそが、5人の関係がのっぴきならぬものだったと、はしなくも物語っているのである。

「3分弱と決して長くはなかったですが、明暗がはっきりと分かれた時間でした」

 そう“講評”するのは、さるテレビ局幹部である。

「キムタクは肌つやも血色もよく、澱みない言葉には自信が溢れていた。その一方で残りの4人は、表情が殺伐としているとか、疲労が見て取れるとか、およそアイドルやスターの佇まいとは真逆で、異様だった。ともあれ、テレビというものは残酷だという言葉を反芻しましたよ」

「木村の存在感が圧倒的だった」

 と、これは芸能プロ関係者の解説である。

「鮮やかな手綱さばきを見せつけた恰好だけど、普段ならリーダーの中居が締めるところをそうさせないのは露骨。裏返して見ると、“まだ赦されていない”という中居の心の裡(うち)をありありと感じさせたね。それに加えて彼自身、今回の騒動を受け、悔しいやら恥ずかしいやら情けないやらで、思考停止に近い状態が続いているようなんだ」

 4人自らが蒔いた種であっても、あるいはそうであるがゆえに、言いようのないもどかしさが凝縮されていたのだった。

「特集 総力取材! 急転直下で『SMAP』元の鞘の裏脚本 独立4人組が赦された真夜中の平身低頭」より

週刊新潮 2016年1月28日号掲載

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