祝! 工藤公康「野球殿堂入り」じゃ清原和博の“春”は?

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 拝啓、清原和博殿。

 寒さがひとしお厳しくなって参りました今日この頃、貴公におかれては如何お過ごしでしょうか。

 ここ数年さまざまな醜聞が報じられ、一昨年には美人妻と離縁された由。昨年はスポーツ紙専属評論家の職を追われ、西国お遍路の旅に出たとか。かつての“番長”の凄みはどこへやら、今やすっかり“イタいキャラ”に変わり果てた貴公を見るにつけ、寂寞とした思いに囚われます。

 先日発表された「野球殿堂入り」も、貴公にとって残念な結果となりました。

 337名の記者による7名連記の投票において、候補二十余名に名を連ねた貴公の得票は、当選ラインの253票に遠く及ばぬ僅か76票でありました。

 このたび殿堂入りを果たしたお一人、ソフトバンク監督の工藤公康氏。そのチームメイトだった東尾修氏は祝賀スピーチに曰く、「一昨年は秋山幸二君で、今年は工藤君。次は伊東勤、石毛宏典に投票してください」。常勝西武時代のナインの名を挙げましたが、あいにくそこに貴公の名はありませんでした。

 畢竟こういうことなのでありましょう。

 単純に通算2000安打で入れる名球会と異なり、「殿堂入り」には品格をも求められるのだ、と。

 しかし、“品行方正な清原和博”─―それは、完璧な形容矛盾であります。

 今回、PL学園の後輩である立浪和義氏も、得票171で落選しました。昨年、球界を揺るがせた野球賭博事件で関係が噂されたことが災いしたのでしょうか。“KKコンビ”のご同輩、桑田真澄氏が74票に止まったのも、やはり巨人入団時のいかがわしいイメージゆえかもしれません。

「冬来りなば春遠からじ」と申しますが、果たして貴公に再び春は訪れるのでありましょうか。

 ご自愛専一に。敬具

週刊新潮 2016年1月28日号掲載

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