報道ステーション降板「古舘伊知郎」は「テレ朝会長」に不満あり

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 なんだかんだ言っても、『報道ステーション』は常に10%台前半の視聴率をキープし、テレビ朝日の看板番組であることは間違いない。そのメインキャスターを務める古舘伊知郎氏(61)が、今年3月いっぱいで降板することが突如、発表された。一体、何があったのか。

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 古舘氏の降板が発表されたのは12月24日だが、番組スタッフにとっても青天の霹靂だった。番組関係者が語る。

「23日に年末恒例の“打ち上げ”が局内で開かれました。古舘さんも出席し、いつも通りテンションが高く、何ら変わった様子はありませんでした。この時点で、古舘さんの降板を知っていたスタッフは誰一人おらず、打ち上げ終了後、会社からプロデューサーやデスクら幹部スタッフだけに説明があったそうです」

 24日の会見で古舘氏は、「夏くらいから、(2016年3月末の)12年を一区切りに辞めたいと申し出ていた」と説明したが、

「古舘さんは14年の秋までは、やる気満々だった。それが一転、降板を決意したのは、早河洋会長(72)への不満が募ったからです」

 とは、テレ朝の幹部社員。

「やはり、うちにとって14年夏、朝日新聞が従軍慰安婦と東京電力の吉田調書に関する記事で、立て続けに誤報と認めたことが非常に大きかった。あれで朝日新聞は世間の信用を失墜し、“反日新聞”の烙印を押された。朝日新聞は、今もテレ朝の筆頭株主です。早河会長としては、朝日新聞とテレ朝の報道姿勢を同じと思われるのを嫌った。そこで朝日新聞と同じ、反体制、反政府的な報道で知られる報ステの軌道修正を図ろうとしたのです」(同)

 これには、少々説明が必要である。テレ朝の会長、社長はこれまで朝日新聞出身者が務めることが多かった。早河氏は初の生え抜き社長で、14年からは会長兼CEOを務めている。

■普通のニュース番組に

「報道局長を経験しているものの、政界人脈はほとんどナシ。14年春に幻冬舎の見城徹さんがテレ朝の放送番組審議会の委員長に就任。見城さんといえば、安倍総理と昵懇ですからね。その仲介で、早河さんは安倍さんや菅官房長官と食事をするようになった。急に官邸と近くなれて、嬉しかったんでしょうね。そんな折、朝日新聞の誤報問題が起きたというわけです」(同)

 別のテレ朝幹部も言う。

「早河さんと『古舘プロジェクト』社長の佐藤孝さんは、1カ月半くらいに1度、定期的に会っています。その席で早河さんが意見を言い、古舘さんに伝わるという流れ。昨年3月には、元経産省の古賀茂明さんが降板の内幕を暴露し、大問題になった。古舘さんは、最近不機嫌になることも少なくなかったし、そろそろ潮時と思ったのでしょう」

 古舘氏の後任は、局アナが有力視されている。

「本命は報ステでレポーターを務めている富川悠太アナ。ただ、まだ若くて経験不足かもしれない。大穴は、早河さんの覚えめでたい坪井直樹アナです。いずれにせよ、今後、報ステは局のハンドリングが利く、普通のニュース番組になります」

 古舘氏の問題点については、度々批判されてきたが、少なくともご本人は信念をもってやってきたに違いない。偏向報道と信念なき報道、どちらがより問題か議論の分かれるところだ。

「ワイド特集 剣が峰にて一陽来復」より

週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号掲載

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