維新との新党を厭う「枝野幸男」の深謀

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 政権交代可能な野党を結集する─―。壮大な計画も今では風前の灯である。

 最大の“障壁”は、民主党の枝野幸男幹事長(51)。民主、維新両党による「新党結成」がイヤで、ある秘策を練っているという。

「枝野さんは“新党反対論者”の急先鋒。維新側は両党を解党した上で新党を結成するよう求めていますが、松野頼久代表、今井雅人幹事長はじめ、維新のメンバーの多くはかつて民主を出て行った人たちです。彼らのために解党したら、地方組織が黙っていないというのが、枝野さんの考えで、民主に維新を吸収合併させればいいと言うんですが……」(民主党関係者)

 問題は、旧みんなの党の比例で当選した、維新の5人の参院議員である。

「公職選挙法上、比例選出の議員は原則として他党に移れませんが、党全体の合流を機関決定すれば認められます。が、みんなの党はもう存在しないため、機関決定が出来ない。そこで枝野さんは、彼らを一旦、議員辞職させたうえで、新たに民主公認で出馬させることを考えている」(同)

 むろん、維新側のある議員はこう憤る。

「あくまでも私たちは解党を経た新党結成を求めている。それがダメなら、参院選は民主、維新で別々に戦うまでです。あちら側の岡田代表、枝野幹事長の2トップが反対している以上、参院選までの新党結成は難しいでしょうね」

 だが、先の民主党関係者は、こう言う。

「維新との合流が上手くいかない方が、枝野さんには都合がいいんですよ。夏の参院選で民主が惨敗すれば、岡田さんの責任問題に発展する。すると、誰が“ポスト岡田”の棚ボタを手にするかといえば、枝野さん」

 スケールの小さな「計画」になったものである。

週刊新潮 2015年12月31日・2016年1月7日新年特大号掲載

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