バドミントン世界一「シングルス男女」のスタミナ

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 世間はユヅルだマオだと騒いでいるが、要するに、あのグランプリ・ファイナルで日本人男女が揃って優勝したと思っていただきたい。

 しかもそれは史上初の快挙で、来年夏に控えたリオ五輪の前哨戦なのだ。もっと大騒ぎしてしかるべきではないか。まあ、バドミントンの話なのだが。

 バドミントンには「スーパーシリーズ」という世界ツアーがある。今年は12大会が開催され、その上位8人が「ファイナル」に出場して、世界一を決める。

 これを制したのが、男子シングルスの桃田賢斗(21)、女子シングルスの奥原希望(のぞみ)(20)である。なお、ダブルスでは昨年、髙橋礼華・松友美佐紀組が日本勢初の優勝を果たしている。

 同学年で、12年に揃って世界ジュニアを制した桃田と奥原は、前週の全日本総合も仲良く優勝。名実ともに日本のエースとなった。

 日本バドミントン協会理事の今井茂満氏が二人を紹介する。

「奥原は、典型的な真面目な女の子。学業も優秀で、特に数学が得意。日本ユニシスの入社試験では、あまりの好成績に採用担当者が舌を巻いてました」

 一方、桃田は、

「真面目とは程遠いやんちゃな性格。機内にパスポートを忘れるなど、そそっかしくて我々をやきもきさせることも。外見も奥原と対照的に派手で、大会ごとに髪型を変えては、“どうですか”と聞いてくる」

 プレースタイルは、

「身長156センチと小柄の奥原は、自分が動くと同時に相手も動かし、粘ってスタミナで勝つタイプ。その点は桃田も似ていますね。男子は力任せの打ち合いになることが多いですが、桃田の場合は違って、緩急を使って相手を前後左右に振り回して翻弄するんです」

 兎にも角にも、リオ五輪、いや東京五輪まで二人の名前を覚えておいて損はない。

週刊新潮 2015年12月24日号掲載

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