大臣の生家が激安で貸し切り宿に! ブルートレインに泊まれる! 宿泊したら自慢できる「日本の変な宿」紀行(6)

ライフ 旅・街歩き 週刊新潮 2015年1月1・8日新年特大号掲載

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 旅行シーズン到来。“おもてなし”の宿は数あれど、ここに紹介するのは、国内でも唯一無二の体験ができる「変な宿」。泊まった後は、ついつい他人に自慢したくなる。そんな、一癖も二癖もある宿ばかりを、本誌記者が訪ね歩いた。

 妖怪の“出る”宿に恐る恐る泊まった後は、1棟借り切りの贅沢さはそのままに、“出ない”宿にも泊まってみたい。すると、県内に大豪邸を借り切れる宿があるという。江戸時代から続く白壁の街並みが保存されている愛媛県内子町に「文化交流ヴィラ高橋邸」は佇んでいた。

「文化交流ヴィラ高橋邸」(愛媛県内子町)。
1泊素泊まり4860円
TEL:0893-44-2354

 石垣に鎮座するのは母屋と2階建ての離れ。宿泊できるのは離れで、床面積は158平方メートルもある。戦前に大日本麦酒の社長を務め、第3次吉田内閣で通産相も経験した高橋龍太郎氏の生家が、93年に遺族から町へ寄贈され、02年に宿として開業したのだ。

「1日1組限定にしているのは、民宿に改装するとお屋敷の風情が失われるからです。襖に鍵を付けては無粋ですので」(スタッフの大野千代美さん)

 こんなに広い屋敷を独り占めできるチャンスは、ここにしかないはずだ。しかも宿泊料金は1人4860円と破格である。

■ブルートレインに泊まれる

 名建築を出て列車に乗った。が、その列車は動かなかった。というのも球磨(くま)焼酎で有名な熊本県多良木町では、鉄道の名車を丸ごと再利用して宿にしているのだ。「ブルートレインたらぎ」である。

 元は東京と九州を結んでいた寝台特急「はやぶさ」の客車が3両。1両は個室寝台、もう1両は開放型の2段ベッド。残りの1両は飲食できる多目的室に改造されているが、ベッドは現役当時そのままだ。

「ブルートレインたらぎ」(熊本県多良木町)。
1泊素泊まり3080円
TEL:0966-42-1120

「お客さんの4割は鉄道ファンですが、飲んだ後にタクシーで帰るより安いと、地元の方が週末によく泊っていかれます」(町企画観光課の椎葉直宏係長)

 素泊り3080円だからだろう。ただ、記者が滞在した部屋はベッドに腰を下ろすか、ベッドの前の床で立ち尽くすか、という狭さだったけれど。

「特集 宿泊したら自慢できる『日本の変な宿』紀行」より