「ゆるキャラ」「B級グルメ」は地元を滅ぼす 専門家が一刀両断

社会

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■「ダメな地域」の象徴

ここ数年、地域振興の切り札として注目を集めてきた「ゆるキャラ」と「B級グルメ」。

しかし、ここに来て、ついにブームに逆風が吹き始めたようだ。

口火を切ったのは、地域振興の研究者で、『里山資本主義』などの著書で知られる藻谷浩介氏。近著『しなやかな日本列島のつくりかた』の中で、ゆるキャラやB級グルメを「チープな地域振興」と一刀両断している。

「今、日本ではチープな地域振興が持て囃されています。B級グルメ、単発イベント、そしてゆるキャラ。ダメな地域は、その三つを必ずやっています」

■なぜ「B級グルメ」はダメなのか?

「じつはB級グルメは儲かりません」と藻谷氏は言う。

「B級グルメに人は集まりますが、ほとんどが原価割れで、収益は生みません。本来もっと高く売れる地域の優良品を、二束三文で売って喜んでいるのはおかしい」

「そもそもA級品があるからB級品の存在価値が生まれるのに、はじめからB級品だけ作っても意味がない」

「地域に貢献したいなら、もっと地域にお金が落ちて、循環する仕組みを考えるべき。何でも安く売るのが商売だと思い込んでいるのが、昨今のデフレの要因のひとつです」

■「ゆるキャラ」ブームにも陰り

藻谷氏は「ゆるキャラ」ブームにも警鐘を鳴らす。

「ゆるキャラは、最初から失敗を見込まれた、残念な存在だから愛おしいわけです。その遊び心をわからずに、本気でゆるキャラに予算をかけて地域振興を託そうとする地域が増えてきた」

こうした声は、他からも上がっている。

3月、タレントのマツコ・デラックスさんは、テレビ番組で、自治体が広告代理店と組んで大々的に売り出す「ちっともゆるくないゆるキャラ」を批判した。

また、大阪府の松井一郎知事も、「大阪府のキャラクターが多すぎる。何を宣伝しているのかわからない」と、21部署にまたがり45体も乱立するキャラクターのリストラを指示したという。

大阪マスコットキャラクター大集合(大阪府HPより)

藻谷氏は次のように嘆く。

「日本がゆるキャラとB級グルメばかりの国になってしまってもいいのでしょうか? 次世代に残すにふさわしい“しなやかな日本列島”を作るためにどうしたらいいのか、もっと真剣に考えて欲しい」

■しなやかな日本列島のつくりかた

藻谷氏は『しなやかな日本列島のつくりかた』の中で、持続的な地域振興の鍵は、「地元の人の“暮らし”を“経済”よりも上位に置くこと」と説く。

「お客やお金に媚びて、自分たちを安売りしない。まず住民自身が幸せに暮らすことが、地域に人を引き寄せる最大のブランド力を生み出すのです」

デイリー新潮編集部