高橋大輔、羽生結弦、浅田真央 勝負の分かれ目は? 取材20年のジャーナリストに聞く

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 ソチ五輪が近づいてきた。冬季オリンピックの種目のなかで最も注目を集め、国民一同固唾をのんで見守るのがフィギュアスケート競技だ。

 このほど『銀盤の軌跡―フィギュアスケート日本ソチ五輪への道―』(新潮社)を上梓したばかりのジャーナリストの田村明子さんに、団体戦に続いて、男女シングルの金メダル争いについて聞いた。

■4回転の出来が勝負の分かれ目

 田村さんは、男子シングルの金メダルレースに絡んでくるのは4人だと予想する。

「パトリック・チャン(カナダ)、高橋大輔、羽生結弦、そしてハビエル・フェルナンデス(スペイン)の争いとなるでしょう」

 チャンは世界選手権3連覇中、高橋は世界No.1の表現力が武器、羽生は今季のグランプリファイナルでチャンを破っている。そしてもうひとりのフェルナンデスは、今シーズン前半は不調だったが、1月の欧州選手権で連覇を果たしている。

リンクで取材中のジャーナリスト田村明子さん。取材歴20年、この世界では押しも押されもせぬ第一人者である。

 では、彼ら4人の勝負を分けるポイントはどこになるのだろうか。

「4回転という大技の持ち点が大きいため、4回転を成功させることができるかどうかがまずは勝敗を分けることになるでしょう。フェルナンデスがフリーで3回、チャン、高橋、羽生は2回入れていますが、金を狙うならミスは許されません」

 逆に言えば、4回転でミスをした選手が金メダル争いから脱落していく、ということになる。そして田村さんは続ける。

「高橋については、どこまで体調を戻してきているかにかかってきます。チャンと高橋はすでに五輪のメダル争いがどのようなものか経験していますが、特に初出場の羽生が大舞台でどこまで実力を発揮できるのか、それも重要なポイントになるでしょう」

■浅田、ヨナ以外の注目選手は?

 最後に女子シングルの予想を聞いてみよう。
 金メダルを争うのは、前回のバンクーバー五輪に続いて、浅田真央とキム・ヨナとなるはずだが、このふたりの戦いに加わってくる選手はいるのだろうか?

「カロリナ・コストナー(イタリア)と、ユリア・リプニツカヤ(ロシア)には可能性があるでしょうね」

 ベテランのコストナーは、伸びやかなスケーティングの技術に定評があり、演技構成点では浅田やキム・ヨナに匹敵する点数を出せる選手。15歳のリプニツカヤは、今シーズン急成長を遂げ、先の欧州選手権でも優勝したばかりである。

■金メダル争いにはショートで70点以上

 女子シングルで勝負を分けるポイントは、どのあたりになるのだろうか?

「キム・ヨナはどこまで体調を戻してきているか、また浅田の腰の負傷もきちんと回復しているかどうか。まず重要なのは、ショートプログラムでミスなく滑り、70点台にのせることですね」

 ショートで70点台――これが金メダル争いをするためのひとつの目安となる。

「浅田はトリプルアクセルの回転をきちんと回りきることができるか、キム・ヨナとリプニツカヤは3+3のコンビネーションを成功させることができるか、それがポイントになります。もっとも、もちろんひとつの技だけではなく、全体をまとめなくては勝てません。コストナーはミスなくショート、フリーをまとめることができれば、金のチャンスもあります。ロシア勢については、地元観客の盛大な応援がどのくらいジャッジの採点に影響を与えるかも重要なポイントになるでしょう」

 フィギュアスケート競技は、2月6日(日本時間7日未明)、まずは団体戦からスタートする――。

デイリー新潮編集部