牡蠣とジャムとひとりの時間/『英国のOFF』

食・暮らし

 英国の紳士淑女は、漱石の時代から日本人の憧れだった。粋な紳士服、アフタヌーンティー、イングリッシュ・ガーデン……。そんな昔ながらのイメージに一石を投じるのが、入江敦彦さんの『英国のOFF』。ロンドンに二十年以上暮らす入江さんの視線は、下町っ子(コックニー)に暖かく寄り添う。10パーセントに満たない上流階級とブルジョワの文化ではなく、女王陛下の国の大部分を占めるワーキングクラスの暮らしを九つの「OFF」として紹介する。

「OFF」とは「休み」のことだが、〈ONの反対がOFFなのではなく、価値観を社会から個人に切り替えること〉と入江さんの定義は奥深い。

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