習近平主席の「判断ミス」を中国人民が尻ぬぐい…深刻すぎる財政難で「シートベルトをしていても罰金を取り立てる」地方政府の横暴
前編【4期目が濃厚な「習近平主席」をじわじわ追いつめる地方政府の「デフォルト危機」…財政難を理由に“でっち上げで人民から罰金を徴収”する異常事態に】の続き。財政難に苦しむ中国の地方政府は、何と罰金の取り立てを強化することで財政健全化を目指している──。台湾の国営通信社・中央通訊社は2022年8月、「中国地方政府の財政難、罰金による収入確保の混乱広がる」との記事を配信したが、そこには信じられないような事例が紹介されている。(前後編の後編)
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《内モンゴル自治区の複数の地域では、一部の交通警察官が地方政府の収入を増やすという任務を達成するため、道路上に臨時の検問所を設置していた。そして、通過するトラックの運転手に対し、「規定どおりにシートベルトを着用していない」などの理由で罰金を科していた。しかし実際には、運転手の大半はシートベルトを着用しており、違反切符に記載された違反行為そのものが存在しないケースもあったという》
「シートベルトを着用しても運転手は罰金を取られる」という記述に疑問を覚える人も多いのではないだろうか。
日本なら不当に罰金を請求された場合、強く抗議し、支払を拒否するだろう。上の記述では、まるで中国人が唯々諾々と罰金を支払っているように読めてしまう。
いや、実は中国人も日本人と同じように抗議している。しかし、それでも罰金を払わされているようなのだ。
『ピークアウトする中国「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界』(文春新書:梶谷懐氏との共著)などの著書で知られるジャーナリスト・千葉大学客員教授・明治大学客員研究員の高口康太氏は、中国を取材して「月刊文藝春秋」や「日経クロストレンド」に寄稿するほか、データで中国を読み解くニュースサイト「The Tokyo Desk on China(ザ・トーキョー・デスク・オン・チャイナ)」を運営している。
衝撃的な動画
高口氏は「実は地方政府による罰金の厳しい取り立てに対し、『あまりにも横暴だ』と訴える動画が中国のネット上に多数、投稿されているのです」と言う。
「ある女性店主はガラスに求人票を貼っただけで罰金を請求されたため、泣きながら抗議する動画をアップしました。他にも罰金を請求された露店主が城管(地方政府の職員)に土下座して撤回してもらおうとする動画、罰金を請求した城管に『お前らには給料があるが庶民にはない』と近くで見ていた人が抗議する動画など、興味深いものがたくさんあります。ところが、こうした動画はすぐ削除されてしまうことが多いようです。そのため拡散して社会問題化しにくいのです」
なぜ地方政府の財政は罰金を頼りにするほど悪化してしまったのか──高口氏は「原点まで遡ると、中国のコロナ対策におけるミスに原因を求められます」と言う。
「新型コロナは2019年12月、武漢市で初めて確認されました。習近平主席の強いリーダーシップのもと、政府は翌20年1月に武漢の都市封鎖を行い、大規模PCR検査の実施、感染者の隔離などを素早く実施、コロナの封じこめに成功しました。そのため日本がコロナ禍に苦しんでいる時、中国では国民の多くが外出を楽しんでいる映像がテレビで流され、中国のコロナ対策が賞賛されたこともありました」
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