4期目が濃厚な「習近平主席」をじわじわ追いつめる地方政府の「デフォルト危機」…財政難を理由に“でっち上げで人民から罰金を徴収”する異常事態に
企業にも罰金を請求
「2024年8月、重慶市璧山区政府が『鉄を潰し、鉄くずにして売る』工作専班(専門チーム)を立ち上げて話題を集めました。要するに財政難のため璧山区政府の国有資産の売却・活用を担当するチームで、あからさまなネーミングで注目されたわけです。また罰金では地元の一般市民を狙い撃ちにするわけですが、あまりにやり過ぎると住民から強く抗議され、地方政府としては対応に困る事態に発展することもあります。そこで企業、それも地元に本社のない企業に対して法令違反などを理由に罰金を科す傾向も強まっています。日本に置き換えれば、関東に本社、関西に支社がある企業に対し、支社のある関西の地方都市が本社に『罰金を払え』と請求するわけです」(同・高口氏)
中国の地方政府は、どうしてこれほど困窮してしまったのか──日本のメディアは、以下の2点を理由に挙げることが多い。
【1】2021年後半から不動産バブルが弾け、地方政府の収入が激減。既存債務の返済が厳しくなり財政が悪化した。
【2】不動産バブルが弾けると、中国経済のデフレ化=不景気が進んだ。地方政府の税収も激減して財政が悪化した。
もちろん、どちらも正しい。だが高口氏は「しっかりと原点まで遡れば、新型コロナの感染対策が失敗したことが地方政府の財政悪化に大きな影響を与えています」と言う。
財政悪化の“戦犯”は習主席?
感染対策は習近平・国家主席が強いリーダーシップを発揮して実行した。日本でも一時期、ワイドショーのコメンテーターなどが「中国の徹底した対策を見習うべきだ」と主張していたのは記憶に新しい。
ところが今の中国が不景気に苦しんでいるのは、その習主席が強権を発動したコロナ対策における“ミス”が大きな原因の一つだという。
そもそも地方政府の財政難が、習主席にとっての“アキレス腱”との指摘は多い。ワシントンポストは23年6月、「中国のジレンマ:債務に苦しむ都市を救済するのか、それとも混乱を招く債務不履行のリスクを冒すのか(China’s quandary: Bail out debt-laden cities, or risk disruptive defaults?)」の記事を配信した。
地方政府の財政危機は、中国経済を失速させる可能性がある。もし不景気が本格化すると、習主席に対する国民の支持は大幅に下落するだろう。
とはいえ、習主席が地方財政の救済に全力を注ぐと中国政府の財政規律が損なわれる。かといって救済を諦めると景気は悪化し、社会的混乱を招きかねない──これがワシントンポストの指摘する「中国のジレンマ」だ。
後編【習近平主席の「判断ミス」を中国人民が尻ぬぐい…深刻すぎる財政難で「シートベルトをしていても罰金を取り立てる」地方政府の横暴】では、地方政府の財政悪化を引き起こしたのは、他ならぬ習主席だという意外な事実について詳しくお伝えする──。
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