「VIVANT」台湾でまさかの大ヒット…それでもTBSが手放しで喜べない「世界進出」の厳しい現実
設定がチープ
さらにミソを付けてしまったのが「中国」という国の実名だ。別班員の和田貢(平山祐介)が中国の諜報機関による凄惨な拷問を受け、指を切断されて腹や胸を刺されるシーンに怒った中国国営中央テレビ(CCTV)や共産党機関紙系の「環球時報」が批判を展開し、中国外務省の報道官も記者会見で公式に非難したのだ。
「確かに残酷なシーンですが、ドラマ全話に盛り込まれる活劇のようなオーバーアクションの一環ととらえればかえって、悪乗りし過ぎのギャグにも見えます。それよりも“実は生きていた”という二転三転のサプライズ、万能すぎるハッカー(ブルーウォーカー)の描写やAIハヤトの幼いアニメ、ミリタリー・諜報戦の緩い設定がチープで気になります。国内では視聴者が考察合戦を行うことで熱量を維持していますが、海外の視聴者は日本のSNS上のリアルタイムな盛り上がりを共有していません」(前出の民放関係者)
そんななか、ちょっとした“異変”が起きている。実は「VIVANT」シーズン2は現在、台湾の大手OTT「Hami Video」で配信されており1位を記録しているという。いったいどういうワケか。
「背景にあるのは中国政府とメディアが『VIVANT』を強く批判したことによる一種の炎上です。現在の中台情勢を鑑みると、台湾の視聴者にとって中国が激怒しているエンタメ作品はそれ自体が強い関心を集める動機になります。放送開始から人気がありましたが、一種の社会トレンドとして視聴が加速した側面は否定できません。香港でのOTTでもトップ10入りしています」(現地のメディア関係者)
台湾での大ヒットは中台関係のパワーゲームという特殊な地政学的な事情があるため、これをそのまま欧米や北南米、アジア圏に当てはめるのは難しいだろう。
「中国の批判によりサンリオがタイアップから撤退したように、グローバル展開を狙う国際的スポンサーやNetflixなど大手配信プラットフォームは、中国市場や東南アジアなど周辺国との摩擦を避けるために『VIVANT』のようなドラマのプロモーションを積極的に行わない可能性があります。世界展開を狙うのであれば、TBSはグローバルなリスクマネジメントにもっと気を遣う必要があったのでは。もっとも福沢諭吉の玄孫(やしゃご)にしてTBSドラマの重鎮である福澤克雄氏には、強く言えない雰囲気が局内にあるのかもしれません」(前出の民放関係者)
大方の予想を覆して今度こそグローバルヒットをかっ飛ばすのか。期待されている最終回の大どんでん返しに注目だ。
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