パワーワード「命の砂時計」を生んだGMO熊谷社長の謝罪会見で露呈したリスク 中核の決済事業への不安視を払しょくできるか

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グループの「本丸」

 ここでGMOグループの収益構造を確認しておこう。前述のGMOペイメントゲートウェイは決済業務をてがける中核的存在だ。同社の2025年9月期連結決算を見ると、売上収益は約825億円、営業利益は約313億円。営業利益率は約38%に達する。GMOインターネットグループ全体の2025年12月期の営業利益約572億円と比べても、その稼ぐ力の大きさがわかる。なお、両社の決算期は異なるため、単純な構成比として比較することはできない。

 GMOペイメントゲートウェイは、大手ECサイトや公的性格の強い決済にも関わっている。グループ内では、GMOイプシロンが初期費用を抑えたサービスでスタートアップや中小EC事業者を開拓。GMOフィナンシャルゲートは実店舗や自動販売機などの対面決済を、GMOペイメントサービスは後払い決済などを担う。オンラインから実店舗、後払いまで幅広い領域をグループ全体でカバーする布陣だ。その結果、決済処理金額は年間23兆円を超える。決済事業は、GMOグループにとって重要な収益源の一つとなっている。

セキュリティへの信頼

「2026年7月には、クレジットカード決済代行会社の全東信が破産手続き開始決定を受けました。その顧客であった飲食店の受け皿の一つとなったのも、GMO傘下の決済事業者だったとされています」(同)

 決済のシステムは経済におけるインフラである。ここで覇権を握れば、ビジネスとしては盤石だろう。しかし、どれほど盤石に見える巨大インフラであっても、その根底にあるのは「セキュリティへの信頼」であることは論をまたない。だからこそ熊谷社長はこれまで、顧客の資産を守るセキュリティへの投資はコストではなく、最優先の成長投資であるといった趣旨の発信をしてきた。今回の不正アクセスによる信頼の揺らぎが、グループの重要な収益源である決済事業の将来に影響することも、経営上の懸念となるだろう。

未来のパイを

「今回のFX関連サービスへの不正アクセスと、ライフカード向けサービスの顧客情報漏えいが直接つながっているわけではありません。また、既存の決済システムから他社に乗り換えるには、システムの再構築や業務フローの変更など相応の負担が伴います。既存顧客が一気に離れる可能性は高くないでしょう。ただ、心配なのは既存のパイが減ることよりも、未来のパイを獲得できなくなることです。新規の取引先が決済事業者を選ぶ際、セキュリティへの信頼は重要な判断材料になります。今回の問題が、その選定に影響しないかが気がかりです」(同)

「命の砂時計」を重要視する熊谷社長の知られざる一面については、関連記事(「ヘリの爆音で妻がノイローゼに」 GMO熊谷代表の「迷惑行為」を近隣住民が明かす モデルを集めて「シャンパンパーティー」に「もう勘弁してほしい」)に詳しい。

 熊谷社長はグループ所有の横須賀のマリーナにある”迎賓館”や大型クルーザー、ヘリコプター、はてはプライベート・ジェットに資金をつぎ込んできた。そうした点に鑑み、改めて「なぜもっとセキュリティ強化の方に資金を投下しなかったのか」が問われることだろう。セキュリティ軽視のイメージは簡単には払しょくできないかもしれない。

デイリー新潮編集部

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