パワーワード「命の砂時計」を生んだGMO熊谷社長の謝罪会見で露呈したリスク 中核の決済事業への不安視を払しょくできるか

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「命の砂時計」

 長時間にわたる会見は同社なりに責任を果たそうとした姿勢のあらわれかもしれない。しかし、熊谷社長の独特の言葉遣い、部下への態度などが注目をされてしまったのは、決して同社にとってプラスとはならなかっただろう。記者からの質問が同じようなものだと感じた熊谷社長が発した「命の砂時計を無駄遣いしないように」という言葉、服装や振る舞いを会見の場で注意する部下への向き合い方、ガバナンスの不備を問う質問に対して、社員食堂のメニュー改善をたとえ話で持ち出すセンス、そもそも社長自ら進行役となって会見を仕切る姿……いずれも一般企業の謝罪会見ではあまり見られないものだっただけに、結果として同社の危機管理体制への疑念を減らす方向には働かなかった。「命の砂時計」は一種のパワーワードとして機能したものの、イメージアップにつながったとは言いづらい。

 こうした会見での振る舞い以上に、問題の本質に関わるのは被害の全容や二次被害についてどこまで把握し、説明できるのかという点だ。

問われる説明責任

「GMOは不正アクセスを受けた被害者側ではありますが、顧客情報が流出し、盗まれた情報が売買され、悪用される可能性がある以上、顧客に対する説明責任があります。様々な方法でハッキングされた情報がダークウェブなどで“フレッシュな日本人情報”としてやり取りされる例が見つかっていますからね。会見では技術的な問題や被害の範囲について質問が出ましたが、会社側がどこまで把握できているのか明確な説明はなく、顧客に十分伝わったとは言いにくい。顧客の不安を払拭するには、1回きりの会見だけではなく、調査中の事項も含め、何が分かっていて何が分かっていないのかを継続的に説明する必要があると思います」(同)

 なお、会見と同じ11月2日、GMOペイメントゲートウェイは、ライフカード向けに提供するサービスの一部で不正な行為があり、顧客情報69アカウント分が窃取された可能性があると発表した。ただし、同社によれば、問題が発生した機能は他のサービスとは異なるシステム基盤で運用されており、決済代行サービスを含む他のサービスへの影響はないという。今回のFX関連サービスへの不正アクセスとは、別の事案として区別する必要がある。

「この件を、FX関連サービスへの不正アクセスと直接結びつけることはできません。ただ、同じグループ内で情報管理をめぐる問題が相次いだことで、顧客や取引先がグループ全体のセキュリティ体制をどう評価するかは気になります」(同)

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