中国“日本批判”のターゲットは「VIVANT」最終回と「NHK紅白歌合戦」か? 「中国だって抗日ドラマを量産しているのに…」の反論が的外れな理由

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 前編【なぜ中国は“高市首相も見たがる”ドラマ「VIVANT」を激烈に非難するのか? 「ポケモン」「ヒロアカ」まで政治問題化させる“認知戦”の実態】からの続き──。TBSの日曜劇場「VIVANT」第2シーズンに対し、初めて批判を行った中国の国営メディアは「中国中央テレビ(CCTV)」のニュースアカウント「央視新聞」で、10月25日に配信した「論評」だった。次に対象となったのは「VIVANT」と「ハローキティ」とのコラボで、記事を配信したのは中国共産党の機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」だった。(前後編の後編)

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 6月26日、TBSは「VIVANT」の公式サイトで「サンリオキャラクターズのコラボレーションが決定いたしました! 可愛いコラボアイテムが多数登場します」と発表した。

 10月4日、「VIVANT」第19話が放送。中国の秘密情報組織“シンシー”に拘束された別班員が拷問を受けるシーンが流された。

 これに25日、「中国中央テレビ(CCTV)」のニュースアカウント「央視新聞」が「VIVANT」の拷問シーンを強く批判する「論評」を配信した。

 28日、TBSは定例の社長会見で龍宝正峰社長が「VIVANT」の問題に触れ、「完全なフィクションによるエンターテイメント作品。国家間の対立を煽ったりする立場にはない」と主張した。

 同じ28日、「環球時報」は社説でサンリオが「VIVANT」とコラボしたことを「日本の右翼と踊るべきではない」と批判。サンリオの中国事業は2026年上半期の収入で7・81億元と前年に比べて4割以上伸びたと指摘し、「中国市場を重視するなら行動で尊重を示せ」と迫った。

 同じ28日、サンリオの中国法人・三麗鴎(上海)国際貿易が声明を出し、「深くお詫びする」と謝罪。日本でも翌29日にサンリオがコラボや関連企画を終了する声明を発表し、「企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断した」と、理由を説明した。

紅白歌合戦に言及

 29日には中国外務省の郭嘉昆・副報道局長が「VIVANT」に「文化コンテンツを通じて中国を貶め、中傷し、反中感情をあおろうとする勢力が日本国内に依然として存在することを改めて示した」と強く批判した。

 中国共産党の機関紙「人民日報」も29日、中国国内だけではなく日本語電子版(「人民網日本語版」)でも「人類の良識に公然と挑戦する日本のテレビドラマ『VIVANT』」との記事を配信。その記事の中では『VIVANT』だけでなくNHKの『紅白歌合戦』についても言及した。

《荒唐無稽な筋書き以上に警戒すべきなのは、その拡散規模と、背後にある複数の勢力による組織的で計画的かつ体系的な世論操作である。同ドラマは日本の第一線の俳優が主演を務め、TBSのゴールデンタイム枠で放送されている。日本のトップ企業複数とコラボしており、高市早苗首相も見たいドラマとして名前を挙げた。さらに、ドラマの主演俳優は、第77回NHK紅白歌合戦の司会を務めることになっている》

『ピークアウトする中国「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界』(文春新書:梶谷懐氏との共著)などの著書で知られるジャーナリスト・千葉大学客員教授・明治大学客員研究員の高口康太氏は、中国を取材して「月刊文藝春秋」や「日経クロストレンド」に寄稿するほか、データで中国を読み解くニュースサイト「The Tokyo Desk on China(ザ・トーキョー・デスク・オン・チャイナ)」を運営している。

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