「あなたの成人式はありません」…デビュー40年「島津亜矢」が語った厳格な母との“二人三脚”人生 14歳で上京、四畳半の下積み生活、「紅白」初出場で贈られた“プレゼント”とは
女性をステージの下まで押しのけ…
――お揃いの指輪だったのですね。
はい。そういえば、30年ほど前にはこんなこともありました。
ステージで歌っていたら、突然、大柄な女性が舞台に上がってきたんです。スタッフさんもいたんですが、誰よりも早く母が飛び出してきて、私を守ってくれました。その女性をステージの下まで押しのけたんです。母はとても小柄で細い体つきなんですよ。それなのに、自分よりずっと大きな女性に向かっていった。そのときも「すごいなあ、親は」と思いましたね。
でも、母と娘の関係って複雑なんです。普段は母の小言を聞くのが嫌で、イライラして喧嘩もよくします。それでも、ひとりになると、あの頃のことを思い出すんですね。母に腹を立てたり、自分を見失いそうになったりしたときには、初めて「紅白」に出場したときのVTRを見て、当時の気持ちを思い出すようにしています。
最近、以前よく現場でご一緒していた歌手のキム・ヨンジャさんに、久しぶりにお会いしたんです。すると開口一番、「ママは?」って。「もう10年ぐらい現場には来ていないです」と答えたら、「お母さんは、あんたを全力で守っていたよね」とおっしゃって。周りの方々もそんなふうに母のことを見てくださっていたんだなと、しみじみ思いました。
少しでも母に恩返しを
――お母様はいま、おいくつですか。
母は今年11月で81歳になります。こんなことを言うのもなんですが、年齢を重ねて、できないことが増えてきました。昔のような母ではなくなっているんですね。でも、子供にとって親はいつまでも親。頭ではわかっていても、かつての母の姿が心に残っていて、つい腹を立ててしまうこともあるんです。
これからは、母に支えてもらった分、少しでも恩返しをしていきたいと思っています。
【第1回】では、故郷・熊本への思いを明かす。窮状を知った彼女が、“被災地に届けたもの”とは何だったのか――。
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