「売名行為と思われないか」…「島津亜矢」が明かす熊本地震支援 故郷に飲料水6480本を届けた“歌怪獣”の素顔と、洋楽への挑戦【デビューから40年】
被災地で歌を
前回の地震のあと、熊本市長さんにお会いしたとき、「復興には30年かかる」とおっしゃっていました。あれから立ち直っていく途中で、今回の地震が起きてしまったんです。
皆さんの気持ちを思うと、いたたまれません。大きな揺れは本当に怖かったでしょうし、特にご高齢の方には、どんな言葉をかければいいのかわからないほどです。「頑張ってほしい」という思いはあります。でも、皆さんはこれまでも十分に頑張っていらっしゃるんですよね。ちょっと大げさな言い方になるかもしれませんが、とにかく皆さんに少しでも心穏やかな時間がありますようにと、毎朝お祈りしています。
それから、私は歌うことしかできませんので、もし機会があれば、ぜひ被災地で歌わせていただきたいと思っております。
「コンサートを中止にせんでね」
来年1月には、地元・熊本で40周年のコンサートを開催させていただく予定です。地震のあと、心配になって地元の後援会に連絡したところ、大変な状況にもかかわらず、「私たち頑張るけん。絶対コンサートを中止にせんでね。歌いにきてね」と言葉をかけていただきました。
少しでも寄り添いたい、励ましたいという思いで電話を差し上げたのに、逆に私のほうが力をいただいたんです。本当にありがたいと思いました。だから熊本公演が楽しみですし、きっと生涯忘れられない思い出になると思います。
「歌怪獣」と呼ばれるきっかけ
――島津さんは演歌以外にもさまざまなジャンルの曲を歌いこなし、「歌怪獣」の愛称で親しまれていますね。
2015年の「紅白」に「帰らんちゃよか」で出演した際、それをご覧になったマキタスポーツさんが「歌怪獣」と名づけてくださったんです。それがSNSでも話題になったようで、若い方々にも知っていただけるようになりました。仕事でも若い方との共演が増え、10代、20代に人気のポップスを歌う機会も多くなりました。普段は演歌を歌っていますから、比較的ゆったりした歌が多いのですが、最近の歌はテンポが速いし、言葉も多い。「口が回らん」と嘆きながら、必死で練習しています(笑)。
実は私、結構緊張するタイプなんです。「こんなに練習したのに、本番で音を外すんじゃないか」と、直前まで心配してしまう。一方、若い歌手の方々を見ていると、すごく楽しそうで、緊張とは無縁のようにも感じるんですね。緊張するのも、楽しむのも、同じ時間です。それなら、あれこれマイナスなことを考えるより、自由に楽しく歌ったほうがお客様にも楽しさが伝わるし、声帯も開く。そちらのほうがいいんじゃないかと思うようになりました。若い方々と交流すると、本当に勉強になりますね。
英語の歌は歌詞カードに書き起こし…
――ポップスと演歌では、歌い方を変えているのでしょうか。ホイットニー・ヒューストンやアレサ・フランクリンの洋楽にも挑戦されていますね。
私は、演歌だからこう歌う、ポップスだからこう歌う、という意識は一切ないんです。演歌のこぶしやうなりも自然に出てきますし、イントロが流れたら、自分が感じたままに表現しているだけ。心のままに歌っている感じですね。
ただ、英語の歌は本当に大変です。私は英語がまったくわからないので、まずは耳でひたすら聴きます。そして、聴こえた言葉をカタカナに書き起こして、自分で歌詞カードを作るんです。ところが、昨日は「ア」と聴こえた音が、今日は「ハ」に聴こえたりする。そのたびに書き直して、悪戦苦闘しています。歌の意味については、ディレクターさんに「これはどういう物語なんですか」と尋ねて、曲のイメージを膨らませていきます。
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