「原作の劣化版」と酷評されがちな韓ドラリメイクに“異変” 芦田愛菜「南田南弁護士」が世界で支持されるワケ

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ドラマ界の重鎮

 カンテレ関係者がこう分析する。

「個人視聴率の上昇と同時に、TVerのお気に入り登録も90万を超えました。尻上がりに人気が高まっているのは、主演の芦田愛菜の演技力と、『南田南』が原作の単なる“焼き直し”にとどまらずオリジナルの展開を盛り込んでいるからでしょう」

 第1話では、ヨンウのトレードマークだった「丸いキンパ(韓国の海苔巻き)」が、日本版では父(角田晃広)の営むおむすび店の「三角の塩むすび」に変更された。また、回転ドアを前に立ちすくむシーンも、エスカレーターを前に戸惑う場面に置き換えられている。

 さらに、第2話で描かれたウェディングドレスのずり落ち騒動を巡るエピソードでは、死後に同性愛者だったことが明らかになった米NASAの女性宇宙飛行士の名前を使っていた新婦のアカウント名が、木蓮の英語名に変更されたほか、封建的な父親との確執も抑えめに描かれた。オリジナル版のファンにとっては、こうした改変に物足りなさを覚えた向きもあったかもしれない。

「ただ、こうした変更は、限られた放送時間の中で、感動を届けようと工夫を重ねた結果でしょう。第2話のラストで描かれた、結婚の破談を決意した新郎の優しさがにじむ場面は、日本版のオリジナルの展開でした。主演の芦田愛菜も、視線の配り方や指先の動きといった細部にまで神経を行き渡らせ、繊細な演技を見せています。制作には心理学を専門とする大学教授も監修として参加しており、作品のリアリティーを支えています」(前出のカンテレ関係者)

 芦田の熱演を支える大きな存在が、演出を手掛けるカンテレの三宅喜重氏だという。三宅氏といえば、かつて草なぎ剛が主演した「僕の生きる道」「僕と彼女と彼女の生きる道」「僕の歩く道」の“僕シリーズ”や、「銭の戦争」「嘘の戦争」「罠の戦争」の“戦争シリーズ”などを世に送り出した、ドラマ界の重鎮として知られる。

「特に2006年放送の『僕の歩く道』では、草なぎ演じる主人公が、先天的な障害によって知的発達が10歳程度にとどまっている31歳の自閉症の青年という設定でした。自閉症の青年の日常を誠実に描いた三宅監督は、今回の『南田南』でも主人公を単なる“天才”やステレオタイプなキャラクターとして描くのではなく、一人の人間として丁寧に掘り下げています。しかも、原作の世界観を尊重しながら、オリジナルストーリーも巧みに織り込んでいる。近年の韓ドラリメイク作品の中では、予想外の収穫といえるのではないでしょうか」(同)

 第2話の最後に流れた予告編を見ると、11月2日放送の第3話はオリジナル版に沿った内容になりそうだ。実は、韓国版「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」全16話の中でも、第3話「ペンスでいきます」は作品の評価を高める転機となった重要な回のひとつである。

「オリジナル版では、ナチス政権下で障害者が迫害された歴史にまで踏み込んでいます。日本版でも、こうした重いテーマがきちんと描かれるのか、韓国版のファンにとっても気になるところでしょう」(同)

 韓ドラリメイクの成功例となるのか。ここからが本番だ。

デイリー新潮編集部

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