トランプ氏「フランスと同様の騒乱」を示唆…波乱必至の中間選挙、共和党は“敗戦処理の準備”、民主党は“選挙監視員の監視員”を投入の報道も
トランプ氏は選挙結果を受け入れるか?
中間選挙の実施を巡り、トランプ政権と民主党の間のつばぜり合いも始まっている。
ロイター通信は21日、民主党が主導する一部の州政府が選挙監視員に対する監視人員を投入すると報じた。トランプ政権が8月中旬、全国の投票所に司法省の職員を含む選挙監視員1000人を派遣する方針を示したことへの対抗措置だ。
米国民も同様の危惧を有している。
ABCニュース/ワシントン・ポスト/イプソスが10月上旬に実施した世論調査で、回答者全体の70%が、共和党が敗北した場合にトランプ氏が選挙結果を受け入れるかどうか「確信がもてない」と答えた。党派別では、民主党支持者が94%、無党派層が77%、共和党支持者が36%だった。
このような状況をみるにつけ、中間選挙が平穏裏に終わるとは到底思えない。
強気の姿勢を崩さないトランプ氏とは対照的に、政権内では中間選挙後を見据えた動きが出始めている。
CNN日本版サイトは21日、「中間選挙敗北の犯人さがしに怯えるトランプ氏の側近ら、『熾烈な』権力争いを展開」と題する記事を掲載した。「トランプ氏が敗北の責任を負わせる側近を探す一方、数十人の政権幹部らも(中略)政権を去ることを検討している」という。
マスク氏との「癒着ぶり」に高まる反発
中間選挙で存在感を高める実業家のイーロン・マスク氏の今後も波乱含みだ。
22日に公開された提出書類によれば、マスク氏は10月前半に自身のスーパーPAC(特別政治活動委員会)に7700万ドル(約123億円)を追加献金した。共和党の議会多数派維持を支援しているマスク氏の中間選挙に向けた献金総額は4億4300万ドル(約709億円)に達し、判明している中では最大の献金者となっている。
苦戦を強いられる共和党候補にとって頼もしいことこの上ない支援者だが、マスク氏にも共和党を応援せざるを得ない事情がある。自身で率いる宇宙開発企業スペースXが政府契約を大量受注していることに、民主党内で反発が強まっているからだ。
民主党が下院で多数派となった際は、マスク氏とトランプ政権との癒着ぶりを明らかにする目的で、下院の委員会が召喚権限を使ってマスク氏を調査するとの観測が流れている。
マスク氏は民主党の動きに警戒を強めているが、民主党が選挙で勝利すれば、自身への風当たりが強くなるのは避けられないだろう。
「驕れる者は久しからず」ではないが、カネの力にモノを言わせて権勢をふるってきたマスク氏が、トランプ氏とともにレームダック化することが現実味を帯びているのだ。
民主党も一枚岩ではない
このように、民主党は敵失で有利な情勢にあるが、党内は分裂状態と言っても過言ではない。
穏健派と台頭する民主社会主義者の間の溝は埋まっておらず、トランプ氏という共通の敵がなくなれば、党内の混乱が一気に表面化する可能性は排除できない。
残念ながら、中間選挙後の米国はさらに混迷を深めるのではないだろうか。同盟国である米国の動向は日本の行く末を大きく左右する。引き続き高い関心を持って注視すべきだ。
[2/2ページ]

