「坂倉、床田、森下」同時流出を覚悟する「広島カープ」 「血の入れ替え」は進むのか? 巨人、ソフバに移籍なら「人的補償」で「即戦力、有望株獲得の期待が」

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「勝利の方程式」に不可欠な存在に

 広島はFAで主力選手が流出してきた歴史がある。制度が始まって以降、川口和久、江藤智、金本知憲、新井貴浩、黒田博樹など投打の主力が抜けたが、一方で16年からは球団史上初のリーグ3連覇を飾っている。若手の育成能力に定評があり、田中広輔、菊池涼介、丸佳浩(現巨人)、鈴木誠也(カブス)、野村祐輔、大瀬良大地、中崎翔太が一本立ちし、チームに復帰したベテランの黒田博樹、新井が精神的支柱となった。その中で、縁の下の力持ちとなったのが、2013年オフにFA移籍した大竹寛の人的補償で巨人から獲得した一岡竜司だった。巨人では入団2年間で計13試合登板だったが、広島に移籍後はセットアッパーとして活躍。17年から2年連続59試合登板で「勝利の方程式」に不可欠な存在となり、リーグ3連覇の原動力になった。

 他球団の編成関係者は、「一岡は巨人で1軍に定着できませんでしたが、投げている球を見るとドラフト1位で獲得する投手の水準でした。人的補償制度では28人しかプロテクトできないので、若手の有望株や実績のあるベテランを全員カバーできない。FAで移籍した選手が注目されますが、人的補償で活躍している選手も少なくない。彼らはハングリー精神が強いので、チームに新しい風を吹き込んでくれる」とFA移籍にの穴を埋めるべく獲得する選手の重要性を強調する。

 実際にFAの人的補償により、環境を変えたことで活躍した選手たちがいる。田中正義(日本ハム)はドラフト1位で入団したソフトバンクで未勝利と伸び悩んでいたが、23年に日本ハム移籍後はセットアッパー、抑えで眠っていた能力を発揮。西武で1軍定着できなかった古市尊(DeNA)は桑原将志の人的補償で昨オフにDeNAに移籍すると、今季は27試合出場で打率.359、1本塁打、5打点をマークし、捕手の守備面でも貢献度が高く、CSを勝ち抜いて日本シリーズに進出する立役者になった。

 とりわけソフトバンクや巨人はそうした“原石”の宝庫と言われて久しい。

金銭補償の落胆

 広島は丸佳浩が18年オフに巨人にFA移籍した際、長野久義を人的補償で獲得して話題になった。広島でプレーした4年間で目立った活躍をしたとは言えなかったが、球団OBは感謝の思いを口にする。

「広島の猛練習に驚きながらも必死についていき、助っ人外国人がチームの輪に入れるように積極的にコミュニケーションを図っていました。ファームで過ごした時期も腐らずに前向きに取り組んでいましたし、グラウンドで残した数字以上にチームへの貢献度が高かった」

 一方で、九里亜蓮が24年オフに海外FA権を行使してオリックスに移籍した際、人的補償ではなく、8400万円の金銭補償を受け取ることを選択。SNS上で「球団フロントは本気で強くする気があるのか」、「オリックスは将来が楽しみな若手が多い。全員プロテクトできるとは思えないし、人的補償を選んでほしかった」などファンから失望や落胆の声が上がる事態となった。

 床田、森下、坂倉の3人が残留するのがベストだが、FAで流出した際に人的補償で効果的な補強ができるか。来季に向けて戦力整備に全力を尽くす。

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