「星条旗のビキニ」姿でトランプ支持者から荒稼ぎした“美女”の意外な正体…米・中間選挙を前に猛威を振るう「AI動画」最新事情
資金を稼ぐための副業として
2026年前半、Emily Hart(エミリー・ハート)というインフルエンサー(同名の女優とは無関係)のSNSが話題となった。これは、20歳のニューヨーク在住の白人看護師女性ということで、多くのMAGA(ざっくり説明するとトランプ支持者)からの支持を得た。エミリーは星条旗が模されたビキニを着用する写真を投稿したり、移民反対を訴えるなど、愛国的・トランプ支持者的主張をし、瞬く間に多数のフォロワーを獲得する人気者となった。再生回数に応じた収入に加え、オリジナル投稿の投げ銭的収入も得て、このIDで毎月数千ドルを稼いだ。
だが、実際のところ、エミリーの「中の人」は、インドの男性医学生で、学費稼ぎと将来的なアメリカ移住の費用が必要だった。いかにして稼ぐかをAIに聞いたところ、MAGAの中高年男性の心を掴めばカネが稼げる、との助言を受ける。そこでエミリーを作り出し、結果的に彼はカネを稼ぐことに成功したのだ。ちなみに彼は「サム」と名乗ったが、これはアメリカの愛国者が支持するであろう「アンクル・サム」にかけているのではなかろうか。
「サム」はWIREDの取材に対し、「MAGAの人々は簡単に騙せる」「資金を稼ぐための良い副業だった」と語るなどし、完全にMAGAの男性を利用した形だ。他にも金髪白人女性で米陸軍に所属していることになっていた20代前半に見えるJessica Foster(ジェシカ・フォスター)も登場。
ジェシカもAIで作られたキャラだが、MAGAの男性の共感を得るべく軍艦に乗っている写真やら、トランプ氏の脇を歩く写真、さらにはサッカーW杯で優勝したアルゼンチン代表・リオネル・メッシとトランプ氏との3ショットも公開。
どう考えてもこんな20代前半風の女性がトランプ氏にここまで接近できるはずがないのでは? といった疑問を普通は抱くはずだが、こちらも多数の支持を集め、結局「中の人」はカネを稼ぐに至った。
これから米中間選挙で様々なネットのフェイク関連の話題は出ることだろう。これは日本にとっても対岸の火事ではない。今後、知事選や統一地方選挙、参院選、ないしは急遽決まる解散総選挙などもある場合、AIを使った工作活動に我々はいかに騙されないか、といったリテラシーが求められることとなる。



