「顧客データ流出」でマイナンバーカードは大丈夫? 個人情報の守り方を専門家が指摘

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マイナンバーカードは大丈夫?

 さて、クレジットカードや免許証と並び、多くの人の心配の種となっているのがマイナンバーカードであろう。税や年金、そして医療情報などが詰まった「データの宝庫」は、これまでも紛失や盗難による情報流出が懸念されてきた。ひとたびそれらが漏洩(ろうえい)すれば、平穏な暮らしは一変しかねない。その裏面にはICチップが内蔵されているのだが、

「ICチップは、ウェブシステムなどとは比べ物にならないほど安全です」

 そう話すのは、情報セキュリティーに詳しい立命館大学の上原哲太郎教授だ。

「『ICチップが突破されたら終わり』なので、多くの研究者により、安全性が確認された規格を設計段階から積み上げて作り、情報が絶対に漏れないよう何重にも守られているのです」

 マイナカードのICチップ自体には、金融機関の口座番号をはじめ税や年金情報、病歴などは記録されていない。顔認証や4桁の暗証番号を組み合わせることで、初めて医療情報などが確認できるシステムだ。またICチップに記録された情報を不正に読み出そうとすると、自動的に壊れる仕組みになっている。一般社団法人「日本ハッカー協会」の杉浦隆幸代表理事も、

「もしICチップの情報が盗み取られるのであれば、マイナカードの前に、お金に換えられるクレジットカードが被害に遭っているはず。ところが現時点でそうした情報は盗まれていません。今後AIが進歩したとしても、当面ICチップは安全だと思います」

 折しも、来年4月に改正犯罪収益移転防止法が施行される。これまで口座開設時などの本人確認で用いられてきた画像送信は廃止され、金融機関などにはマイナカードや免許証のICチップ読み込みが義務付けられる。それでも、今回の免許証の画像流出はユーザーにとって大いに不安であろう。

 先の森井名誉教授は、

「成りすましによる被害が心配な場合は、銀行などが契約時の審査をする時に活用している信用情報機関に『免許証の情報が漏れました』などと申告しておくのがよいと思います」

 その機関は、「日本信用情報機構」(JICC)、「シー・アイ・シー」(CIC)、そして「全国銀行個人信用情報センター」(KSC)と、国内に三つあるのだが、

「JICCは消費者金融、CICはクレジットカードの信用情報に強く、KSCは金融機関のローン情報に詳しい。一つでなく複数の機関に被害を申告した方が、不正利用のリスクをより減らせます」(同)

 この「本人申告制度」はいずれも有料ではあるものの、背に腹は代えられない。打てる手はすべて打ち「個人情報丸裸社会」を生き抜くしかないのだ。

 前編では、「顧客データ流出」でユーザーに訪れる「最悪のシナリオ」と、各社の発表のタイミングがズレる理由などについて報じた。

週刊新潮 2026年10月22日号掲載

特集「『タイムズカー』660万件 『JR東』609万件 『個人情報丸裸社会』のサバイバル術」より

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