「新しい波には乗っておけ!」…貝殻ビキニで大旋風「武田久美子」が明かしていた離婚騒動も跳ね返す超ポジティブな教訓

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離婚騒動で得たもの

 そんな武田でも、心と体が落ち込みそうになったのは、やはり離婚騒動だった。

 結婚後は不便な新興住宅地の一戸建てに住んだが、夫婦関係がぎくしゃくして売却することを決意する。向こうの面倒な住宅売買事情や、売るために家の値段を下げたいという武田の提案を頑として受けつけない彼との間で葛藤があった。

 連載「武田久美子 13年目の破局」では心身がズタズタになった当時を振り返った。

〈顔はすっかりやつれ、体重は三十数キロになるまで痩せ細ってしまいました。あと1週間、あのままだったら、病院に運ばれていたかもしれません。私が限界にきていることにようやく気づいた彼は値下げに同意。すぐに家は売れました。あのころのことを思い出すと、今でも腹立たしい気持ちが湧き上がってきます〉

 そして〈彼に対する愛情は完全に空っぽになってしまった〉(同)。

 その時はまだ離婚調停中だった。その最中、武田は次の一手を考え、エッセー集を出して仕掛けていたわけで、超ポジティブシンキングな行動だった。苦境の中に留まらず、乗り越え、現実をひっくり返すにはどうするのがいいのか――それが問題だったのだろう。

 改めて、「KUMIKO BIBLE」を読み返してみると、発想がどれも月並みではないことがわかる。

〈こんなのがあったでしょ。“テレビ電話であの子の顔にひげを描く”。まだ、スマホもない時代に。ちょっと前には夢物語だったことが、いつの間にか現実になっている。だから、「新しい波には乗っておけ」…波ってね、乗り過ごすクセがついてしまうと、いざという時に、乗りこなせなくなるものなの〉

 結婚、出産、離婚を経験するわけだが、

〈それは、結婚という新しい波に乗ってみたからできたこと。そして、波乗りとは、波の数だけうまくなるもの。コツがつかめるもの。チャンスに前髪はあっても後ろ髪はない〉

 今やAIの時代。SF映画「2001年宇宙の旅」(68年)の世界が、公開から数十年後に現実になっていることを思えば、この発想も興味深い。

引っ越しの数だけ愛がなくなる

 前掲書では、こんな主治医の言葉も紹介している。

〈人生の最後を思い描ける者が、結局は人生の勝者になる〉

 また。離婚の際の引っ越し騒動からこんな教訓も得た。

〈引っ越しの数だけ愛がなくなっていった。あんなに好きだった人でも、他人の顔に見える瞬間がやってくる〉

 この言葉には、多くの人が何らかの共感を得ることができるのではないか。

 6歳のモデルデビューから50年超。12年前の取材時はただ者ではないオーラを感じたが、おそらく今もそうに違いない。

峯田淳/コラムニスト
最新刊『猫のいる人生』(新潮新書)が発売中

デイリー新潮編集部

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