大ヒット「VIVANT」の裏で何が起きているのか 福澤氏の助監督骨折問題、拷問シーンで「中国」設定のなぜ
福澤氏を特別扱い?
福澤氏がドラマ部門のエースだから、大ごとにしたくないのではないか。そう一部社員は勘ぐる。
福澤氏はドラマ部門の稼ぎ頭だ。演出した2020年版の「半沢直樹」は個人視聴率の最高値が21.9%。原作、脚本、演出の3役を担った2023年の「VIVANT」は同12.9%である。
現在、放送中の同作品シーズン2は、7月26日放送の第11回で同12.1%を記録した。ほかにもヒット作が多数ある。
「かといって特別扱いしているとすれば、ウチらしくない。世間の流れにも反する」(TBS社員)
視聴者からの信用が落ちてしまうことを危惧している。フジテレビは2023年7月、タレントの人権侵害問題への関与の疑いを認識しながら、その人の冠番組の放送を1年以上継続した。これにより、視聴者の不信感は決定的なものとなった。
Netflixをはじめとする動画配信サービスは、社会規範を守りながら、情報公開も行い、同時に市場を拡大させている。もはやテレビ界にも特権や治外法権はない。それでもテレビ界は今なお不祥事防止に熱心とは言えず、隠蔽体質が見え隠れする。
TBSやNHKなどテレビ界の定例会見の出席者は、原則として放送記者クラブのメンバーである。新聞記者に限られる。首相会見すら雑誌記者やネット記者、フリーの記者たちも出席できる時代でありながら、オープンにしない。テレビ界の閉鎖性が際立つ。
一方で、TBS局内には「いくらなんでも福澤さんに負担を掛けすぎた」という意見もある。それが福澤氏のストレスを生んだという見方が一定数以上、存在する。
福澤氏は、「VIVANT」シーズン2の原作、演出、プロデューサーの3役を担っているが、事実上のメイン脚本家でもある。4役を務めているのだ。チームの統括、キャスティング、ファンイベントまで、全て主導している。
プロデューサーはほかに飯田和孝氏(44)たちもいるが、飯田氏は福澤氏より18歳若い。キャリアも大きく違う。福澤氏に頼らざるを得ない。
福澤氏の相棒のプロデューサーといえば、「半沢直樹」や「陸王」(2017年)などを一緒につくった伊與田英徳氏(59)が有名だが、「ノーサイド・ゲーム」(19年)を最後に2人は袂を分かった。理由は作品の方向性の違いとされている。いくら福澤氏が稀代の制作者であろうが、4役は疲れるはずだ。
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