大阪の中高生8人が全国大会に出場できず…日本陸連の「スポーツはルール厳守が鉄則」が常に正しいとは限らない むしろ“失敗に寛容”なのがスポーツではないか

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「JOCジュニアオリンピックカップに出場するはずだった大阪府の中高生8人が、中体連担当者の不手際でエントリーが間に合わず、参加できない事態になった」

 このニュースが報じられると、「もう出られないの?」「いまから参加を受け入れてくれればいいじゃないか」といった反応が広がった。吉村洋文大阪府知事も「選手たちに落ち度は全くない。再発防止策を徹底する前提で何とか救済措置をとれないか」と話し、救済を求める声が高まっているが、エントリーを受け付ける側の日本陸上競技連盟は、一切救済しないという方針を明言、物議を醸している。【小林信也(作家・スポーツライター)】

優しさのない日本陸連

 10月3日、日本陸上連盟は「JOCジュニアオリンピックカップ第57回U16陸上競技大会における都道府県代表種目の申込に関する事案について」と題し、「本件について一部報道がありますが、事実関係および本連盟の見解を以下の通りお知らせいたします。」として、ホームページに次の声明を掲載した。

◆事案の要旨および本連盟の判断

 今大会の都道府県代表種目について、当該陸協が所定の申込期間内に、今大会に参加するために必要な申込をしませんでした。申込期間終了後に当該陸協から本連盟へ、参加を認めるよう救済措置の要望が示されましたが、本連盟は救済措置を行わない判断をし、当該陸協へ回答しました。

◆本連盟の判断の理由

▽本連盟は今大会において、また本連盟主催の他の競技会においても、申込期間内に申込手続きがなされなかった場合は、競技会への参加を認めておりません。救済を求める要請を受けてもすべてお断りしています。今回の事案に限って特別に救済することは、参加をお断りした他の競技者への対応と異なることとなるなど、公平性の点でも大きな問題が生じてしまいます。そのため、今回の事案についても同様に、今大会への参加を認めない、という判断をしました。

 一見、筋が通っているようにも読める文章だが、「日本陸連ってどうしてそんなに冷たい組織なんだ?」「偉そう!」と感じたのは私だけだろうか。

「過去にも認めていないから今回も認めない」――公平なようだが、違うだろう。「過去には認めていなかったが、今回から認めたらいいだろう。もちろん今後もすべて」と私は思う。選手自身の落ち度ならともかく、中体連の担当者のミスで出場できるはずだった中高生が出場できない、そんな理不尽があっていいはずがない。エントリーの締切日を間違えていた担当者の失態は言うに及ばずだが、そのミスを日本陸連がカバーして「選手には当然、出場してもらいたい」というやさしさ・思いやりがなぜ日本陸連にはないのか?

 私は約50年、スポーツの取材に携わり、常々スポーツ団体の不遜さ、いまも残る無意味な上下関係に辟易している。マラソンや駅伝を沿道で応援した方なら誰もが一度は、陸連のハットを被った中高年の男性に厳しく叱責され、「そこから出るな」とか行動を咎められた経験があるのではないか。私はそのたび、「どうしてあんた方はそんなに偉そうなんだ。なぜ一般の応援者に対して横柄に指図するんだ」と思う。

 選手を応援してくれる一般観衆に対する感謝の気持ちは二の次で「おれたちの言う事を聞け」「聞くのが当然」という体質が染みついている。それが残念ながら、日本の体育会人の体質だ。最近はずいぶん変わったとも言われるが、今回の日本陸連の対応の根底にはそんな横柄さが感じられる。少なくても、選手の気持ちは踏みにじっている。そして、それで平然としている。有森裕子会長も同じ見解なのだろうか?

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