重症患者は10年間で18%が死亡 恐ろしい「睡眠時無呼吸症候群」 イビキだけではない「見極め方」

ドクター新潮 ライフ

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 餅がノドに詰まれば当然苦しい。ところが、それと同じことが何十秒と続き、一晩に何度も起きるのが睡眠時無呼吸症候群だ。心筋梗塞、脳卒中を引き寄せ、死亡率も高い。専門家の佐藤誠医師が身近な治療法を解説する。

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 人は起きている時、ノドの奥の気道が開かれています。しかし、睡眠中は筋肉が弛緩して、舌が落ち、舌と口蓋垂(ノドチンコ)が気道まで下がってしまうことがあります。気道が狭くなってくると、空気が口蓋垂を震わせる。その音が「イビキ」ですが、この場所が塞がれてしまうと呼吸ができなくなってしまう。

 呼吸が止まる時間は10秒、数十秒、長い人は1分を超えますが、そうすると脳が覚醒して呼吸が再開される。しかし、しばらくすると、イビキをかき始め、呼吸が止まって、また覚醒する。一晩中、これを繰り返すのが睡眠時無呼吸症候群(以下・SAS)です。

 お餅がノドに詰まった状態と言えば苦しさを想像できると思いますが、眠っていると、これが分かりません。しかし心臓に強い負担をかけ続けるため、放置すれば「死」を招く怖ろしい病気なのです。

〈最近、SASを公表する芸能人が増えている。体調不良により休養を発表したお笑い芸人、バナナマンの日村勇紀さんは重症患者であり、寝る時は医療機器「CPAP(シーパップ)」を手放せないと語っている。一方、スマートな二枚目の代表である福山雅治さんも、CPAPを着けて寝ていることを明かした。タレントの西村知美さんは、デビュー当時からイビキを指摘され、「夜中に首を絞められたような苦しさがあってガバッと起きることがあった」と語っている。いまや日本人の罹患者数は1000万人ともいわれ、誰でも発症のリスクのある現代病なのだ。〉

肥満との関係

 少し怖い数字をご紹介します。50代の男女を対象に、10年後の生存率を調べた研究があります。この年代になれば、健常者でも10年間で数%は亡くなりますが、SASの重症患者は、約18%が亡くなっていました。

 SASの特徴は心筋梗塞や脳卒中を起こしやすくなり、助かったとしても重い障害が残ること。海外の研究では、心筋梗塞や脳卒中になるリスクが実に30%に上ったのです(「The Lancet」2005より)。

 またSASを放置すれば高血圧、糖尿病、不整脈、認知機能低下など、さまざまな合併症を引き起こすことも分かっています。

 原因の一つには「肥満」がよく挙げられます。

 牛タンは、霜降りの分厚い舌根部がおいしいのですが、人間の舌も根元部分は動かないため脂肪がつきやすい。太ればここにも脂肪がついて分厚くなり、気道を塞いでしまいがちになるのです。

 たしかにSASと肥満には一定の関連性がありますが、それだけが原因ではありません。

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