ウクライナ「超・長距離ドローン」がプーチン大統領を苦しめる理由…広大な国土というロシアの防空メリットがむしろ“国防の障害”に
絶対に「ない」ロシアの勝利
「ロシアのドローンは、『無差別攻撃』というより『たまたま命中した』に過ぎません。キーウのマンションに被害が出たとしても、明確に狙っていたわけではないのです。そもそもドローンが搭載できる爆薬の量は多くありません。そのためマンションに当たっても数部屋を破壊するのがせいぜいです。一方のウクライナはガソリンスタンドや物流倉庫など可燃性の高い施設を正確にピンポイント爆撃しています。これならドローンでも相当の被害を与えることが可能です」(同・軍事ジャーナリスト)
両国の差はどこから生まれているのか、それは偵察衛星の有無という可能性がある。
「ウクライナは偵察衛星を持つNATO(北大西洋条約機構)から情報を提供されている可能性があります。一方、ロシアは以前なら偵察衛星を運用していましたが、最近は全く情報が伝えられません。ロシアはアメリカと並ぶ超大国というイメージがありますが、実際のところGDPは世界9位です。しかも近年は経済制裁に苦しんでいます。資金不足から偵察衛星の運用に支障が生じているかもしれません」(同・軍事ジャーナリスト)
ただ、ウクライナとロシアが互いに“ドローン全面戦争”を繰り広げたとしても、ウクライナが負けることは「絶対にない」という。
実現不可能な「ロシアの勝利条件」
「ロシアは侵略した側です。そのため勝利条件は『首都キーウを占領してゼレンスキー大統領の政権を打倒、ウクライナ全土を支配する』──となります。そのため大量のドローンでウクライナを攻撃するだけでは絶対に勝利条件を達成できません。地上部隊が実際に制圧する必要があります。一方、ウクライナは守る側です。モスクワを占領する必要はありません。ロシア軍にダメージを与え、ロシア国民に厭戦気分を蔓延させることが最優先です。それにはドローンによる攻撃が非常に効果的でしょう。ドローンを活用して粘り強くロシアに出血を強い、最終的には停戦や和平を達成できれば勝利なのです」(同・軍事ジャーナリスト)
こうしたウクライナの戦略は確かにロシアを苦しめている。8月30日にYouTubeで公開された動画は「ロシアの苦況」という観点から大きな注目を集めた。
「ウクライナの銃整備士がロシア軍から鹵獲(ろかく)した5挺の小銃を比較したのです。興味深いことに『古い小銃のほうが新しい小銃より状態が良い』と明らかになりました。具体的には1983年製のAK-74は銃身も銃口もしっかりしており、損傷はまったく見られませんでした。ところが2026年製の最新型AK-12は未使用だったにもかかわらず、銃身に腐食が確認されたほか、銃口部分の加工にも問題があったのです」(同・軍事ジャーナリスト)
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